指名〜発表 2

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続けて,さらに5つの指名方法を記します。



【4人グループ内で全員を指名】

机を4つ寄せて,グループの皆で意見を出し合ったり,資料を検討し合ったりする学習では全員を指名できる。


大勢の前では発言をためらう児童生徒も小グループ内であれば発言ができるという場合が多い。


そこで教師の指示(グループ内に教師も入って)

「Aさんはどれを選んだの? Bくん,Cさんがそう思った理由は? Dさんが選択を変えた理由は何かな?」と問う。


こうすると全員が全員の考えを聞き合うことができる。





【前もって指名】

前日に,翌日の授業のどの場面でどんな内容を発表してもらうかを該当生徒に告げておく。実践してみると・・・


生徒は,前もって告げられておくことで,よく準備して来るし,その準備のていねいさは驚くばかりである。


とっさに指名されることと事前に指名されていることは意味が違う。(大人でもそうではないでしょうか?)


この「前もって指名」は,意欲を高めるというねらいにおいても,良い。


生徒のみならず児童も同様である。





【述べ方=話形=の良い児童生徒をモデル的に指名】

「私の考えは〜〜です。その理由は〜〜です。」

「答えは〜だと思います。そう考えた理由は資料の〜〜からです。」


このようなグッドモデルとなる発表の形=述べ方ができる児童生徒は,他の児童生徒の良い手本になる。


そこで「述べ方=話形=のグッドモデル」として褒め,意図的に指名する。


波及効果は高い。グッドモデルの効果は,教師が範を示す以上に高い場合さえある。





【見せて説明=2人組を指名】

理科で,実験装置や実験結果を1人がさし示し,もう1人がそれを活用して説明することのできる2人組を指名し,発表につなげる。


「示す役」と「語る役」の役割を意識する指名となり「どこを見ると何が分かるか」「この結果から何が言えるか」など科学的な発表になる。




ラストです。

【発問し,挙手した子の中から指名】

教師の発問⇒分かった子が挙手⇒挙手者を先生が指名するというものである。


結論から言うと,これは「学習活動を広げる,思考を深める,子供の発表を生かす授業づくり」という点では効果的ではない。


ところが,多くの教室で,ひんぱんに見られる形である。


筆者の考えからこの方式のマイナス面を指摘すると,次のようになる。

この形の指名によって発表の場があるのは,知識の多い子,発表型の子,反応の速い子と限定される傾向があり,全児童生徒が響き合わない。


(この指名方法を,あえてラストに記したのは,そのことを授業者が踏まえているかどうかが重要であることを指摘するためです。)





2回にわたって「指名〜発表」を記しました。

授業者が,指名を改善することで授業の展開が改善されます。
















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