終わりの3分 3
算数で,授業の終盤に,必ず入れるべきことは適用練習です。
◆「分かった」と「できた」は違う。 ◆「皆で解いたらできた」と「自力でできた」は違う。 正直に告白すると,筆者は学級担任時代に,児童の「分かった」と「できた」が違うことを理解するのに数年かかりました。 「解き方が分かった」と「解くことができた」の間には,ハードルがあります。「できた感」は,問題を解けた時につかむものです。 そのようなわけで適用練習は重要です。 「時間がなくなっちゃったので練習問題はこのつぎネ。」 では,確かな学力に遠く及びません。 ところで適用練習には,まず第一に,教科書の練習問題が良いと思います。その理由は次のとおりです。 ◆教科書の「数字」は,検討に検討がなされている。 ◆教科書の「問題掲載順」は,検討に検討がなされている。 担任の先生による自作問題を否定はしませんが,写真(=教科書の一部)の通り,教科書は児童の一歩一歩の学習に合わせてできています。 終わりの3分 2
本時のふりかえりの場面です。【写真】
児童が,ふりかえりカードに書いた言葉に注目です。 「〜引き,ということがわかった」 「定価の求め方がわかった」 のように, ◆きょう勉強したキーワードが入った文◆ になっています。 単に,きょうの勉強をふりかえって,を記入するように指示すると, 「がんばった。」 「協力してできた。」 「むずかしかった,でも,分かった。」 のように書くのが一般的です。 これでも良いとは思いますが,上記のように,キーワードを入れてと指示すると,よりふりかえりが焦点化されます。 キーワードは本時のねらいと合致するからです。 授業終わりの3分
ノート【写真】をご覧ください。グッドモデルノートです。よさを5つ解説してみます。
よさ1 商16を,同色(赤)で結びつけておさえています。 よさ2 あまり3を,同色(青)で結びつけておさえています。 よさ3 ゆったりとノートを書いているためすっきりまとまっています。 よさ4 「た−か−ひ−お」&「右の渦巻き」など細部がていねいです。 よさ5 ひっさんの横線を定規を使ってぴしっと引いています。 以上5点を見ると,授業者(先生)は高い授業力があることが分かります。 ◆テーマを「授業の終わりの3分(広義のまとめ)」として数回載せます。 研究校訪問きょう(2/5)は,研究委嘱校訪問がありました。 平成26〜27年度と,研究テーマをもとに3つの学校が授業研究を進めています。 きょうは今年度最後の研究校訪問でした。 授業における協同タイムの在り方について,きょうは,研究授業をもとに検討会を行いました。 分科会では活発な意見が出され,生徒の学びをどのように支援していくかについて,有意義な検討がなされました。 始まりの3分 5
スーパーの広告は,生活に密着しており,授業で使うとインパクトがあります。
【写真左】「全品半額」=「どの品も半額で買える」という基本を確認 もちろん「値段は,品物ごとに異なり,その値札の半額」という,これもあたりまえのことを,具体例を示し,おさえておくことが重要です。 これらの内容について,5年教科書では 「もとにする量」 「比べる量」 「割合」 という考え方で学習します。 【写真中】「かに3割引」は,かにのおいしさを演出したのち(?),学習 学習の際,「3割引」は「3割」と「引」に分けておさえさせます。 「3割」と「3割引」を混同する児童が少なくありません。 よって「付いている値札」の「3割」に当たる金額を,「値札の金額」から「引」いた値段で買うことができるということをおさえます。 【写真右】「%」と「割」の意味および上記の流れで学習 スーパーの広告を,単元全体のどの部分で使うかは授業者の構想によります。 スーパーの広告を使うと「学習したこと→生活へ生かす」が把握でき,児童の関心や意欲が高まります。 スーパーの広告は,効果的な学習教材と言えます。 児童生徒作品展科学研究作品(理科自由研究),発明工夫,習字,図画,統計グラフの各優秀作品が展示されており,家族で見に来ている方もおりました。 優れた研究内容,優れた表現の作品を見ると,小中学生の努力の跡が分かります。ぜひお出かけになってはいかがでしょうか。 作品展は2月9日までです。 始まりの3分 4
かなの発明は,のちの日本の文化につながっています。そこで【写真上】を示し,漢字の形とかなの形の似た所,読みが同じであることも確認します。
【写真上】の「世・せ」以外にも「仁・に」「安・あ」【中】などを提示します。 先生「では,『る』『な』『そ』『き』のもとになった漢字は何だろうか?」 この3分間は,かなの成立と日本人の知恵を学ぶのに適しています。画数の多い漢字をいかに日本人が上品なかなにしたか分かる導入です。【写真下】 始まりの3分 3
理科の実験,始めの3分間です。
実験では,器具の準備,配置が重要です。「準備はするけど配置があいまい」というのが児童生徒に見られる傾向です。 そこで,配置模範図を示して,配置のしかた&実験の目的を確認しておくと,良い活動,良い着眼,良い考察につながります。 【写真上】模範図で「方位磁針と電磁石。どの向きに置いていますか?」と問う。 【写真下】 「スイッチONで針がどう動くか見よう。」 「動いた針の先を指さそう。」 「それは何度やっても同じだろうか。」 「乾電池の向きを変えても同じだろうか。」と問う。 始まりの3分 2
先生 「自分の親指の『爪の形』を,よ〜く見てみよう。
よ〜く見た『爪の形の輪郭』を,30秒かけて,描いてみよう。 爪が描けたら『関節のしわ』も,30秒かけて,描いてみよう。」 ◆こうして最初の1分で描いた「指の絵」が次の上の写真。3分で中の写真。5分で下の写真。 HP読者で教員の方はご存じの通り,子供は対象物を中心から描くとき,生きた線が出ます。‘中心から’がポイントです。 授業始まりの3分
先生
「電卓です。 5のボタンに注目してみましょう。 5のボタンには○が付いています。 この○は指でさわると『突起』になっています。 『突起』の○は,5以外のボタンには付いていますか?」 児童生徒 「5以外には付いていません。」 先生 「5に付いている『突起』の○は,見なくてもそこが『5』であることが,指先で識別できるように付いています。」 児童生徒 「!!」 「え〜,知らなかった。」 先生 「もう1枚の写真です。これは何ですか?」(画面下に掲載) 児童生徒 「電話機です。」 先生 「どのボタンに注目するかというと・・・?」 児童生徒 「5です。」 先生 「そうです。気づいたことがあったら,教えてください。」 児童生徒 「あっ,5のボタンだけ,ポチッと何か付いてます。」 「さっきの電卓の突起と同じ意味なんですか?」 「そうだよ,そうだよ。きっと。はい,同じ役目だと思います。」 先生 「よく気がつきました。その通りです。 『5』が分かるように作られていているものが電卓や電話機の他にもあります。 特に電話は,目の不自由な人が,指で『5』を見つけて,番号が押せるようなつくり,つまりデザインになっています。 このようなデザインを何と言うか知っている人いますか?」 児童生徒 「?・・・」 「あれ,なんかで見たな。」 先生 「ユニバーサルデザインと言います。 ユニバーサルとは,誰にでも,どこでも,広くという意味です。 突起は,目の不自由な人にはあると便利で,そうでない人にも使用上の不便さはありません。誰にとっても使い易いデザインがユニバーサルデザインです。 この時間はユニバーサルデザインについて調べてみましょう。」 ◆「業始まりの3分」は本時のねらい確認,活動の方向付けにおいて重要です。上の例は,導入での写真提示が効果的な例です。 ◆数回にわたり「授業始まりの3分」について記します。 取手で梅開花取手市台宿にある井野天満宮。 井野天満宮の寒梅の開花は,新聞各紙によく掲載されます。 14日土曜日に,筆者も行ってまいりました。 写真のように,紅梅が花を開かせていました。 この寒梅木は,周辺の梅よりも開花が早めで,3分咲きというところでした。 紅梅のため,ぱっと目に付き,青空によく映えていました。 取手に居ながらひと足先に春を感じたひとときでした。 ここ井野天満宮は学問の神様である菅原道真をまつっています。 道真公には,飛梅伝説があったことを,ふと思い出しました。 授業力向上研修きょう(1/22)は,指導課主催授業力向上研修会が開催されました。 講師の先生として,国語教育に関する著書も多く出版されており,現在は東京都の指導教諭である学校現場の先生に来ていただきました。 市内の会場校の6年生の教室では,講師の先生による国語「書くこと」を内容とした授業公開,その後,引き続いて講演をしていただきました。 授業では,6年生が「新聞に掲載された高校生の投書」を教材として, 1 意見を記す 2 理由を記す 3 予想される反対意見に対する反論を記す 4 結論を記す を学習しました。授業終了後も,互いの「投書原稿」を見合い,意見を交換していた児童の姿が印象的でした。 講師の先生は‘初対面の6年生’の教室で,大勢の参観者を前に,素晴らしい授業を展開してくださり,授業力の高さを参加者は学ぶことができました。 確かな学力と確かな授業力は,表裏一体です。教師が授業力を向上させることは,良い学習活動,良い学級づくりにつながります。 講師の先生のご指導に感謝申し上げます。 どんど祭り
取手地方では,1月の行事として,おもに小学生等が参加するものに「どんど祭り」があります。
どんど祭りという呼び方の他に,どんど焼き,あわのとり,あわんとり,トリ追いのように様々な名称で呼ばれます。 写真のように,竹と藁で組んだものを立て,ロープで固定し,当日はこれに火を点けて,しめ縄などの正月飾りを燃やすものです。 17日の夕方には,利根川緑地運動公園で「取手どんど祭り」が開催されました。 子供たちは,長い篠竹の先に,餅を刺して,それをどんど焼きの火であぶって食しました。これで1年間の健康を祈ります。 どんど祭りは,地域の歴史と伝統のある行事のひとつです。 取手からの富士山取手市から望む富士山を紹介します。 冬のこの時期は真っ白い富士山を取手市から見ることができます。方角は南西で,取手市と富士山との直線距離は約100KM。 空の澄んだ日などは,青空に真っ白な雪の富士山が見えます。 茨城県には日本百名山の1つに数えられる筑波山もあります。そこで,本市の小中学校の校歌には,富士や筑波の名が多く見られます。 冬に見つける春今は,真冬。 しかし「冬に見つける春」をテーマに活動すると児童の目が開きます。 例として,上の写真は,モクレンのつぼみ。 目に見えて膨らんで来ています。(1月10日 取手市で撮影) モクレンほどはっきりはしませんが,桜の蕾も12月に比べると,ずいぶんと膨らんで来ています。 スイセンは葉が伸びて来ています。スイセンが毎年咲く場所を覚えておくと楽しいものです。 ワンアイスクリーム
トリノ冬季オリンピックで金メダルを獲得した荒川静香選手は,イナバウアーを取り入れて印象的かつ華麗なフィギアの演技を見せてくれました。
金メダリスト荒川選手が,以前,TVで語っていたこと,それこそ見えない努力の一端であると感動しました。 荒川選手は,滑りながら,できるだけ正確に「1秒間を計る」ために, 「ワンアイスクリーム」 と唱えるのだそうです。こう唱えるとちょうど1秒。(試しにやってみてください。) 3秒をカウントするには, 「ワンアイスクリーム,ツーアイスクリーム,スリーアイスクリーム」 これでちょうど3秒になります。(試しにやってみてください。) フィギアの演技は,秒単位でカウントしながら演技することが重要。しかしそれを誰も助けてはくれません。 スラロームやスピンを決めながら,心の中で「ワンアイスクリーム,ツーアイスクリーム」と唱えていた荒川選手。その努力はすごいと思いました。 ちなみに,なぜアイスクリームなのか?と言うと,荒川選手がアイスクリームが大好物だからというところがまたいいです。 冬。アイススケートの競技が多くなって来ました。 各選手には,演技を支えている努力の軌跡がほかにも多々あるのではないでしょうか?氷上に残す軌跡以外にも。 色 距離 そして
ベテルギウスを見ると黄色ってぽく,シリウスは白っぽい。
この色の差は何でしょうか? 温度の差です。 シリウスは10000度という高温です。白っぽいほど高温で,黄色〜赤となるにつれて温度は下がります。 ベテルギウスは4000度くらいです。 太陽は,もし,すご〜〜〜く遠くから見たら,黄色っぽい恒星に見えるはずです。 太陽は6000度くらいです。冬の大三角のひとつプロキオンと同じくらいです。 距離も不思議です。 オリオン座の中に3つ並んでいる星ですが,この3つは地球から見るから互いが近くに並んで見えるだけです。 しかし,実際は,おのおのは何億KMどころか何光年という遠くに離れています。 これは取手から富士山を見ていたら,富士山のわきに電柱が見えたのと同じです。電柱のてっぺんと富士山のてっぺんは並んで見えます。 しかし「縦位置に並んでいる」から近いだけであって,富士山と電柱は,もちろん100KM以上離れています。 「月と太陽は,どっちが遠いの?」と子供に尋ねられたら, 「電車に乗って行ったとしたら, 月までは150日で,太陽までは150年で着きます。 そのくらい太陽は遠く,月は近いよ。」 という説明が分かりやすいです。これは本当です。 宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」を話すのも一興です。 3回にわたり, ・星を位置関係で見る ・星を神話から見る ・星を色で見る ・星を距離で見る などを書きました。 最後に筆者のおすすめは, ・星の美しさを楽しむ が一番です。1月,2月の関東地方は,空は澄み,星の数は多く,星の美しさを楽しむには絶好です。寒いのだけは我慢ですが。 オリオン座
オリオンは猟師です。
オリオンは海の神,ポセイドンを父に持ちます。 「ポセイドンアドベンチャー」(映画)やシーフードレストラン等,海に関して「ポセイドン」の名が付けられるのは海の神の名ゆえです。 オリオンは猟師なので,猟犬を伴っています。 それが,おおいぬ座,こいぬ座です。 オリオンの敵が,オリオンを狙わせたのは猛毒のサソリ。間一髪逃げました。以来,サソリ座が西に沈んでからオリオン座は東に上ります。 オリオン座の中の3つの星はベルト。ベルトには短剣を下げています。短剣に当たる2等星3等星も実際に見えますね。 以上は,オリオン座にまつわる星の神話ですが,古代ギリシャ人の発想の豊かさには,驚かされます。 (冬の星のお話は,次回完結) ☆付録☆ 恒星と惑星のちがい 恒星=自ら光を出す星のこと ものすごく遠くにある太陽のようなもの 夜空の星のほとんどが恒星 惑星=自分では光を出さない星のこと 地球,水星,金星,木星などはどれも太陽の惑星 月は地球の惑星 金星や月が光っているのは太陽の光が当たってそれが見えるため 冬の大三角
南の空を7時頃以降に見上げると,燦然と輝く星があります。
シリウス。 シリウスは全天でいちばん明るい星です。 (金星も明るいですが,金星は惑星,シリウスは恒星) シリウスの右上に,ベテルギウスがあります。ベテルギウスはオリオン座の左上の一等星です。オリオンの右肩あたりです。 シリウスの左に,プロキオンがあります。 シリウス−ベテルギウス−プロキオンの3つの星を結ぶと,きれいな三角形になります。これを冬の大三角と言います。 (冬の星のお話,次回へ続く) 始業式 明日取手市立小中学校は,明日8日が第3学期始業式。 (茨城県内では,茨城町などすでに3学期開始の市町村もあります。) 「学校生活に有意義な変化や折り目を付け,厳粛で清新な気分を味わい,新しい生活の展開への動機付けとなるような活動」 始業式は,儀式的行事と位置付けられる学校行事で,学習指導要領には上記のようにその内容が示されています。 さあ,いよいよ26年度を締めくくる3学期。 児童生徒のみなさんには,まさに,清新な中で,新年の生活を始めてほしいと思います。 【写真は,取手から見た夕刻の富士山】 |
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