あたたかな春がやってきました。
　今日は高野小学校の入学式です。
　まず、入学した１年生のみなさんに大事なことをお話しします。
　学校は勉強をするところです。その勉強ができるようになるためには、ヒミツがあります。それを教えてあげますね。
それはね、人の話をちゃんと聞くことです。耳を澄まし、お話をしている人の顔をよーく見てお話を聞きます。そうすると、勉強がどんどん頭に入ってきます。これからも今のようなよい姿勢で、先生の言うことをよく聞いて、がんばって勉強をしてくださいね。
　次は、新しい入学生を迎え、一つ上の学年に進んだ２年生から６年生までのお兄さん、お姉さんたちにお願いをします。まず、みなさん、一人ひとりが１年生のすばらしいお手本となってください。そして、１年生をどんなときでも宝物のように大切にしてあげてください。１年生は小さくて、わからないことがたくさんありますが、心をもった一人の人間です。自分の事と同じように、１年生も大切に、大切にしてくださいね。

　新入生の保護者の皆様、本日は、ご入学、本当におめでとうございます。思いおこせば、この子どもたちは、あの東日本大震災の年に産まれた子どもたちですね。保護者の方々は、あの激震と長く続く余震の中で、そして、放射線から必死になって、この子どもたちの命を守ってこられました。生まれたばかりの小さなお子様を抱え、さぞかしご苦労なさったのではないでしょうか。しかし、そんな苦しい毎日の中でも、小さな赤ちゃんの笑顔と確かな成長からたくさんの希望と勇気をもらったのではないでしょうか。私は、この１２名の子どもたちを高野小学校に迎えるに当たり、そのような保護者の方々の思いをしっかりとお受けし、全職員が一丸となって教育に当たりたいと思います。今日から、子どもたちが学校にいる間は、私たちが、全力で子どもたちのお命と笑顔をお守りしいたします。そして、すこやかに成長することができるように誠心誠意、努力いたしますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

　また、ご来賓の皆様、本日は、誠にありがとうございました。いわき市議会議員　塩田　美枝子　様をはじめとし、たくさんのご来賓の方々にご臨席を賜り、入学式を挙行できましたことは、この上のない喜びであります。この高野小学校は、１４０年以上にわたって地域の方々に支えられてきた学校です。今年度は、特に、子どもたちが地域の方々や自然から学ぶ生活科と総合的な学習を市内の先生方に向けて発表する研究公開も予定しております。地域で学び、地域で育つ教育を今後もより一層推進するとともに、学力向上を中心とした子どもたちの夢の実現のためにまい進していく所存ですので、市当局の皆様、PTAの皆様、区長様をはじめとする地域の皆様のご支援、ご協力を何卒、よろしくお願いいたします。

　結びに、１２名の新入生と４７名の上級生、そして、ご参会の皆様のご多幸をお祈りし、式辞といたします。


　　平成２９年４月６日

　　　　いわき市立高野小学校長　小荒井新佐