挨 拶     東京都中学校道徳教育研究会  会長 麻生 隆久(多摩市立聖ヶ丘中学校校長) 
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令和5年度東京都中学校道徳教育研究会
                       あいさつ                              

 日頃より、東京都中学校道徳教育研究会の活動に御理解・御協力を賜り、誠にありがとうございます。令和5度東京都中学校道徳教育研究会の会長を拝命いたしました多摩市立聖ヶ丘中学校長の麻生隆久と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、道徳が教科化され、既に5年が過ぎましたが、ようやくその質的改善に取組み始めた矢先に、新型コロナの感染拡大により生徒を取り巻く環境が一変し、生徒同士の関わり方も大きく変わってしまいました。その影響は、5類になった今でも大きく影響し、現在でも周りの様子を窺うかのようにマスクを外そうとしない生徒も少なくなく、言葉が聞き取りにくかったり、素顔が見せられないことによって、その表情も読み取りにくかったりするというような状況も見られます。
 一方、この間、教育のICT化が一気に進み、道徳科においても、タブレットや様々なソフトやアプリケーションを活用した授業が行われるようになってきましたが、これにより、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実をいかに図るかが課題となっています。また、評価についても、アプリケーションの活用が広がりつつありますが、ともすれば、評価がパターン化されるという問題も指摘されています。加えて、最近のAIの進化は目覚ましく、特に、AIを使ったチャットサービスの登場は、社会全体に大きな影響を与えており、学校現場でも、生徒の学力に与える影響も危惧され、その対応が急務となっています。
 こうした状況においては、生徒一人一人が、人との対話を通し、自己を見つめ,物事を広い視野から多面的・多角的に考え,人間としての生き方についての考えを深めることのできる授業にすることが、今後ますます重要になってくると考えています。
 そこで、今年度の研究テーマも、昨年度に引き続き、「教科の特質を生かしつつ、これからの時代に対応する道徳科の指導の工夫」とし、杉並区立向陽中学校の池田和幸副校長を研究部長として1年間の研究活動に取り組んでまいります。その活動内容といたしまして、前半は、第52回関東甲信越中学校道徳教育研究会 栃木大会並びに第57回 全日本中学校道徳教育研究大会北海道函館大会への発表に向けての研究活動に取り組んでまいります。後半は、令和6年2月の東京都中学校道徳教育研究会研究発表大会に向けて、研究テーマに沿った公開授業の研究と準備に取り組み、並行して全公立中学校対象の道徳教育推進状況アンケートの実施と集約分析などに取り組んで参ります。
 その成果は、2月の研究発表大会並びに研究紀要にまとめ、発表させていただく予定ですので、皆様の御指導、御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。