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陸上運動系領域について

陸上運動系は、「走る」、「跳ぶ」などの運動で構成され、自己の能力に適した課題や記録に挑戦したり、競走(争)したりする楽しさや喜びを味わうことのできる運動である。
 陸上運動系の領域として、低学年は「走・跳の運動遊び」、中学年は「走・跳の運動」、高学年は「陸上運動」で構成している。
 走・跳の運動遊びは、「走の運動遊び」及び 「跳の運動遊び」で、走・跳の運動は、「かけっこ・リレー」、「小型ハードル走」、「幅跳び」及び「高跳び」で内容を構成している。これらの運動は、走る・跳ぶなどについて、友達と競い合う楽しさや、調子よく走ったり跳んだりする心地よさを味わうことができ、また、体を巧みに操作しながら走る、跳ぶどの様々な動きを身に付けることを含んでいる運動である。
 走・跳の運動遊び及び、走・跳の運動遊びの学習指導では、走ったり跳んだりする動き自体の面白さや心地よさを引き出す指導を基本にしながら、体力や技能の程度にかかわらず競走(争)に勝つことができたり、勝敗を受け入れたりするなどして、意欲的に運動に取り組むことができるように、楽しい活動の仕方や場を工夫することが大切である。
 陸上運動は、「短距離走・リレー」、「ハードル走」、「走り幅跳び」及び「走り高跳び」で内容を構成している。これらの運動は、走る、跳ぶなどの運動で、体を巧みに操作しながら、合理的で心地よい動きを身に付けるとともに、仲間と速さや高さ、距離を競い合ったり、自己の課題の解決の仕方や記録への挑戦の仕方を工夫したりする楽しさや喜びを味わうことのできる運動である。
 陸上運動の学習指導では、合理的な運動の行い方を大切にしながら競走(争)や記録の達成を目指す学習活動が中心となるが、競走(争)では勝敗が伴うことから、できるだけ多くの児童に勝つ機会が与えられるよう指導を工夫するともに、その結果を受け入れることができるよう指導することが大切である。一方、記録を達成する学習活動では、自己の能力に適した課題をもち、適切な運動の行い方を知り、記録を高めることができるようにすることが大切である。
 また、陸上運動系の領域では、最後まで全力で走ることや思い切り地面を蹴って踏み切るなど、体全体を大きく、素早く、力強く動かす経験をすることができるようにすることも大切である。
 なお、児童の投能力の低下傾向が引き続き深刻な現状にあることを鑑み、遠投能力の向上を意図し、「内容の取扱い」に「投の運動(遊び)」を加えて扱うことができることにした。遠くに力一杯投げることに指導の主眼を置き、投の粗形態の獲得とそれを用いた遠投能力の向上を図るこが主な指導内容となる。

小学校学習指導要領解説 体育編より抜粋