最新更新日:2017/03/31
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校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」1

  「かしこい」とは、思いやりながら学ぶこと     
 
 月曜日の始業式の時に「かしこく」「やさしく」「たくましく」を意識してめあてを立ててくださいというお話をしました。もうめあてを立てたでしょうか。今日は「本当にかしこいとは、どういうことなのか」ということについてヒントになるお話を紹介します。
 アメリカ合衆国の小説家、オー・ヘンリーという人が書いたお話です。題名は最後に教えるね。ある貧しい夫婦がおりました。ジムという夫とデラという妻です。毎日の食事をしていくのが精一杯で自分たちの楽しみに使うお金などはありませんでした。クリスマスが近づいてきました。アメリカではクリスマスに自分の大切な人に贈り物をすることをとても大事にします。ジムとデラも相手に秘密で、何とかお金を手に入れて相手の喜ぶ贈り物を買おうとします。妻のデラは考えました。夫のジムはたった一つの宝物である、金の懐中時計を大切にしている。それは、おじいさんからお父さん、そしてジムへと受け継がれた宝物だけれど、つるす金の鎖がなかったのです。金の懐中時計に金の鎖をつけることができたら、ジムはどんなに喜ぶだろう。そう考えたデラは、自分のものでたった一つ価値のあるもの、自慢の美しい長い髪の毛を、かつらを作って売るようなお店でバッサリと切って売ってしまったのでした。自慢の長く美しい髪の毛はなくなってしまったけれど、ジムはきっと喜んでくれるだろうと思いました。
 その頃、ジムもデラの喜ぶ贈り物を考えていました。デラのたった一つの自慢は長い長い美しい髪の毛でした。その美しい髪の毛をとかす、櫛(くし)をデラはほしがっていました。長く美しい髪の毛をすてきな櫛でとかし、もっと美しくできたなら、デラはどんなに喜ぶだろう。そう考えたジムは、自分のものでたった一つ価値あるもの、金の懐中時計を売ってしまいました。大切な金の懐中時計はなくなってしまったけれど、デラはきっと喜んでくれるだろうと思いました。
 こうして二人の贈り物はそれぞれ意味のないものになってしまいました。皆さんは、この夫婦を「馬鹿だな」と思いますか。このお話の題名は、実は「賢者(賢い人)の贈り物」とつけられています。愚か者ではなく賢い人だというのです。このお話から教えられるのは、「かしこい」とは人の気持ちを思いやりながらよく考えたり、自分がどうしたいかではなく、どうすることが一番よいのかを考えたりすることだということです。そうすれば結果は関係ないのじゃないかということです。学習する時によく考えて一生懸命やっていくと深く考える力が付き、賢い自分になることができます。一日一日の生活や学習が「かしこく」なるための毎日なのかもしれませんね。(2013.4.12)

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