最新更新日:2017/03/31
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校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」2

本当のたくましさとは、どういうことか     

 運動会が2週間後に近づいてきました。楽しみだなと思う人や運動が苦手な人などはちょっといやだなと思うかも知れませんね。でも、どうして大枝小学校では運動会をするのでしょうね。
 運動会は小学校では明治時代と言って、100年以上前から行われ続けています。私たちの大枝小学校は今年度で141年目になる歴史ある学校ですが、明治24年といいますから120年以上前に初めての運動会が当時の学校である徳本寺で行われたそうです。おそらく、それ以来ずっと行われてきた学校行事なのです。このことは、運動会がどれだけみんなにとって大切なものであるかを示しています。どうして運動会をそんなに長く続けて来たのでしょうか。もう勘のいい人は気づいていますね。そうです、私たち大枝小学校の目標「かしこく、やさしく、たくましく」の中の特に「たくましく」に関係ありそうですね。
 運動会が近づくと、私は学年で1番足の速い、ある5年生の男の子のことを思い出します。その子の学校では児童代表の運動会実行委員が運動会の種目を考えて運動会を行っていました。実行委員会ではこんな種目を考えて準備にかかりました。個人競争のチャンスレースです。スタートしてカードを拾います。そのカードに書いてある色、赤・緑・黄のどれか一つの色のドッジボールを探してゴールするという種目です。ところが、その男の子には生まれつき、目に問題がありました。色の見分けがつきにくいという問題です。カードに書いてある字で探すべきボールの色が分かっても、どのボールがその色なのか分かりにくいのです。その子の目の問題を知っている先生方は迷いました。「実行委員の意見は大切にしたい。でも運動会でその子に悲しい思いはさせたくない。競技を変えるか。それとも、どうかしてその子に手助けをしようか。」と…。
 次の日、その子のお母さんから電話がありました。「先生、息子から聞きました。ボールのチャンスレースは予定通りやって下さい。息子はこれからも色の分かりにくい自分の目と共に生きていかなければなりません。自分で問題を解決するように話しておきますから。」と。
 運動会当日になりました。私は運動会の準備係で5年生チャンスレースのドッジボールの所にいました。その子がスタートしカードを拾い、ちょっと迷いながらボールを選びました。そして、ゴールではなくて係の私の方へまっすぐ走ってきます。
そして私にこう聞くのです。「先生、このボールの色は緑ですよね。」私が「そうだよ。」と答えると、にこっと微笑んでゴールに向かいました。2着でした。私は「たくましいなあ」と思いました。走る姿にではなく、自分で行動する姿にです。
 運動会は、その練習の中や当日の会の中で、体を鍛えたり進んで考えて行動したりするのにぴったりの行事です。自分にいろいろな問題があってもそれを乗り越えていけるような体と心をつくることが「たくましく」なることだと感じますね。
(2013.5.10)
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