日々の学校生活についてこちらのページでお知らせいたします。

子供の心に、火を灯もす 〜伝記べーブルース〜

 アメリカ大リーグエンジェルスで大活躍の大谷翔平選手。

 投打の活躍で、よく比較されるのがベーブ・ルース選手。アメリカ大リーグの草創期に、ピッチャーとしてバッターとして大活躍した名選手です。「大谷選手はベーブルース以上」なんて言われていますが、それは大谷選手がこれからも継続して活躍していかなくては、結論は出ないことです。

 私もかつて野球少年だったので、この伝記は読んだ覚えがあります。

 ルースは、とんでもない問題児でした。けんかやいざこざが絶えず、少年院(日本とはだいぶ違う)である、セントメリー学校に入れられます。そこで、野球と出会い野球が大好きになったルースが活躍し、それと共に更生し、さらに大リーグで投打にわたって大活躍をしていく、アメリカンドリームです。

 このサクセスストーリーに子供たちはぐっと引き付けられます。ルースの家庭は、「親が貧しい酒場を経営し、夜も忙しく働き、子供の様子を見てやれなかった」という、簡単にとらえれば、「親と過ごす時間がなく、親の愛に飢えていた」子供時代があります。もし、少年院で彼に野球を勧める先生の存在がなかったら、のちのホームラン王は生まれていなかったかもしれません。ルースは、野球が大好きになった。そして、一生懸命に野球をやった。この出会いがとても大切だったのは言うまでもありません。

 伝記は一つのキャリア教育・生き方教育です。

 今の子供たちは、ハングリーさがないと言われています(数十年前からでしょうけど)。自分の逆境を跳ね返すべくがむしゃらに努力した、という「逆境」の経験はとても少ないでしょう。お笑いの松本人志さんも、自作した詩「チキンライス」で、クリスマスには御馳走が食べられなかった少年の日の思い出が語られています。逆境は、目標達成のための大きなエネルギーになる、そんな例は他にもあることでしょう。

 では、逆境がなければ、ベーブルースのようになれないのか?と、疑問になります。しかし、その答えはルースと大谷選手に見る共通点から浮かんできます。二人には、生き方に影響を与えた「師」がいることです。ルースにはマシアス先生。大谷選手には佐々木洋先生(監督)。二人とも、野球の楽しさとともに、人としてのあるべき姿を本人たちに考えさせた人生の師です。このことに気付くと、「教師が子供に与える影響の大きさ」というものに、同業として背筋が伸びる思いです。

 教師誰しもが、この二人の偉大な先生になれるわけではありません。しかし、子供たちの今の姿を見て、未来の姿を判断してはならないことの重要性を改めて思い知らされます。盗み・けんかに明け暮れる少年は、やがてたくさんの子供たちに夢や希望を与える太陽のような存在に変わりました。

 本校では、伝記の貸し出しは、とても多いのです。朝読書で夢中になって読んでいる子供がいます。子供にとって「自分もなれるかも」と、自分の可能性を夢を膨らましている姿があります。教師として、そんな子たちの背中を押してやれるような存在になりたいものだと、懐かしいこの伝記を読み返し、感じました。
画像1 画像1
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28          
南魚沼市立赤石小学校
〒949-7235
住所:新潟県南魚沼市荒金273番地2
TEL:025-779-3005
FAX:025-780-1018