最新更新日:2024/07/22
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令和5年度 研究主題                            互いに学び合い、自らの学びを深めていく体育学習

第7回 器械運動系領域部会 @品川区立後地小学校

◯主題の捉え
 「多様なできた」に運動遊びを入れていいのか。「技ができた」「練習の場でできた」など3年生の機械運動の目標を目指した方がいい。
 「できそう」→「できた」なのか。「できた」→「できそう」なのか。「自ら学び続ける力」として考えるとどちらが適当なのか、検討が必要。「できそう」と感じさせるのは、部会の手立てではないか。手立てによって「できた」を実感させていく。
 「自ら学び続ける力」を端的に表すと、「粘り強く取り組む」「自己調整」ということ。そこに「運動が好き」という気持ちも加えていきたい。

◯評価検証
 「学習環境」「学習過程」「振り返り」の3つの視点から検証を行なっていく。そこで注目したいことが「自分発信」と「相手発信」の視点をもって見ていくこと。具体的には、「技を見る、伝える」「課題解決の工夫」「レベルアップしたこと」をそれぞれの視点で見ていく。

◯手立て
 まず、「前転」という言葉を出さずに「感覚」を身に付けさせる。次に、「技」を知る。最後に、「技ができるようにするための感覚」を身に付けるために、場を選んで練習に取り組む。これが目的意識となる。
 「友達との学び方」をどのように示していくか考える必要がある。友達の動きを見ることに必然性をもたせられるような手立てにしたい。

◯学習過程
 「遊ぶ→技を知る→取り組む」の学習過程を目指したい。実証授業1で跳び箱の運動局面を分けて、運動遊びに取り組ませる授業を行ったことで、技につなげられるという成果を得られた。マット運動は局面をつなげるだけでなく、技のポイントを知ることが大切になるので、どのように教えていくか。技は情報量が多いため、前転グループなどの群で技を捉えた指導が必要になりそう。
 低学年の運動遊びから中学年の技につながる時に子供は「怖い」や「できない」といった気持ちを抱いてしまう。これは教師がポイントを教えようとしているからではないか。運動はそもそも遊びからきているので、たくさん遊ぶことをメインにした学習過程にしたい。遊びの中で技能のポイントを身に付けられるようにする。たくさん遊んだことで、遊びの飽和が起き、技につながるようにしていきたい。
 ここで課題なのが、3年生段階でどこまで技能を求めるかということ。「技のできばえ」「側方倒立回転と壁倒立の扱い」は3年生で必要なのか検討した。4年生につなげるためにも、全ての技の運動感覚に触れておく必要があると考えた。
 また、自己の課題解決を機械運動の楽しさと考えると、技に出会わせて課題解決する学習過程が必要なってくる。中学年を通して学習過程を考え、技の課題解決学習になるようにしていく。
 3年生段階では、子供のやりたいものから「前転」「後転」「回転倒立」「巧技系」グループを選択させ、単元後半で全てのグループに触れられるようにローテーションする形で考えてみる。技のポイントを身に付けることができれば、技を教えなくてもいいのではないかという考えもある。

◯須藤先生
 新しい取り組みを取り入れていく。夏季合研でも参加者からたくさんの意見をもらいたい。学習過程においても、新しい目線でよかった。子供がシールを集めていく過程で、教師のゴールに近付いていく姿がよい。
◯小板橋先生より
 どこに焦点を当てて話を進めていくのかが大切。「ここを検討している」というのを、夏季合研で示していきたい。実証授業に向けて有意義な話し合いにし、参加者に自分ごとで考えてもらい、「やってみたい」と思わせられるような提案を。
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実証授業1&第6回器械運動系領域部会@墨田区立第三寺島小学校

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◯実証授業1を終えて
 片付けと準備に10分かかっていた。子供に味わわせたい感覚とそのための場を厳選していく必要がある。腕支持の感覚が身に付いておらず、技を完成させることができない児童がいた。跳び箱運動だけの感覚つくりの運動ではなく、マット運動と共通した感覚等も器械運動を通して身につけさせていくことが必要。
 協働的な学び合いの理想の姿として、「児童が自然発生的に話し合うこと」を目指す。そのためには、児童の必要感や教師の働きかけが必要になると考える。その手立てを部会で検討していく。見る場所や視点を指導しシステム的に行うことは中学年に合っているのか。「友達ともっと話してみよう。」と言葉がけを行い、話し合うよさを実感させていく。
 どのようなアドバイスがよかったのか、児童に学ばせるためにも中学年では全体を集めて、価値付けを行ったり共有したりする時間が必要か。

◯目指す児童像の決定
「友達と共に器械運動の楽しさに触れ、学習活動を工夫しながら、自ら学びを深めていく児童」
 「友達と一緒に」→「友達と共に」に変更。みんなで学習課題を解決していく姿を目指しているため。「自ら学びを深めていく児童」としたのは、3つの資質能力を身に付けようとする過程で発揮される力が自ら学び続ける力として考えている。

◯研究主題の捉え
 器械部の考える「自ら学び続ける力」を考えるにあたって、器械運動の動機づけについて考えた。非日常の感覚、感覚つくりが技につながること、動きの遊び要素、できそうを感じられる学習過程などが挙げられた。これらを児童に味わせることで、自己調整や粘り強く取り組むことにつながるのではないか。

◯技との出会いについて
 遊びに取り組んできた児童に技の手本動画を見せると、「こわい」「できそうにない」と感じる児童が多く見られる。どのように技に出会わせ、「やってみたい」という気持ちをもたせるか、学習過程の中で検討する必要がある。

◯授業に向けて
「評価、検証」
児童の具体的な姿を追っていく。仲間と喜ぶ姿、試行錯誤する姿、技ができそうと感じている姿を目指す児童像から考えた。方法として、子どもの実際の言葉やアンケート、粘り強く取り組む姿を見取っていく。これに対して以下のような意見が出た。
 ただ「技ができた」ではなく、「子供同士でできた」という姿に注目しなければ、目指す児童像に近付けない。
 これまでの高学年の姿と今回の中学年の姿の違いを明確にして検証した方がいい。
 知識及び技能の観点から、技の習得率を事前事後で検証する。

「学習過程」
 3年生の技と出会う段階では、単元を通してもつ目的意識は必要ないのではないか。学習課題は、技ができるようになるのではなく、練習の場や方法を選択することにした方がいいのではないか。しかし、器械運動ということを考えると「技」は必要か。
 グループ学習の内容を前転系の技で共通したポイントを学ばせるようなものはどうか。技能の差によって発展した技に取り組みたい児童も少なくない。前転から学習を始めるのではなく、ポイント別に学習を進めることで、前転系に必要なポイントが身に付き、様々な技に取り組むことができる。
 これに対して、「高学年での系統図の破綻」や「前転から学習を始めた方が効率的に児童できる」点が挙げられた。

「手立て」
 楽しさや喜びを味わわせるための場の工夫。技ごとに遊びのあるワクワクするような場を考える。
 活動の工夫のための学び合いの仕方。価値付け、教えること、学ばせること、子供の関わる工夫を、それぞれ考える。
 自ら学びを深めるための学習資料と学習カードの工夫。資料はこれまで使っていたものでいいのか。3年生の技に出会う段階で、分かりやすいものが必要になってくる。学習カードは「OPPAシート(1枚ポートフォリオ)」にすることで、単元を通した自由な振り返りができる。単元を通してマット運動の楽しさを振り返ることにつながる。昨年の課題であった記述の量を減らすこともできる。

◯平井指導主事より
 夏季合研に向けてアイディアを出し合っていくことが大事。
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