最新更新日:2017/03/31
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平成26年度 修了式の話

         平成26年度 修了式の話
                        伊達市立大枝小学校長 安生 昌弘

 今日は長かった学校の1年,4月から始まって3月に終わる平成26年度の締めくくりの日です。台風で2日間学校が特別お休みになりましたから,202日,学校に来て頑張ったことになります。大枝小のみんなは学校をほとんど休まないので大体の人が200日位頑張ったことになるんですね。素晴らしいです。その結果,みんなは今日,通知表の後ろにある「修了証書」を頂いて,4月から1つ上の学年で学習できるようになります。修了とは終わりの「終了」ではなく,今の学年の学習すべきことを身につけたという意味の「修了」なのです。学年が自然に上がっていくわけではないのですね。
 ところで,世界の国々は4月から学校の1年が始まる国ばかりではありません。アメリカ合衆国やヨーロッパの国々は9月から学校が始まりますし,お隣の韓国は3月の今が学校の始まりだそうです。4月始まりは日本くらいなのですね。みんなは,4月が新しい学年のスタートになりますから,春休み中にしなければならないことがあります。人間は忘れる生き物ですから,新しい学年のスタートがきちんと切れるように今の学年の学習をきちんと身につけ直さなければなりません。今まではなかったと思いますが,今年は大枝小版春休みの友を宿題に出しました。みんなのお父さんやお母さんには「大枝小の子は,春休み中にたくさん勉強するはずです。」と言ってあります。家族に「勉強しなさい。」と言わせずに「勉強ばかりして,あんまり無理しないでね。」などと言わせて下さい。毎日続けてコツコツやり続けることもみんなが身につけなければならない事なんです。
 最後に,今日は担任の先生との1年間の締めくくりでもありますから,1年間ご指導していただいた感謝の気持ちを自分の言葉で一人一人伝えるようにしましょう。「ありがとうございました。」の言葉に何かをつけて担任の先生に伝えて下さい。心を伝えるのが言葉の役割なのです。4月6日,新学期に元気なみんなと会えるのを楽しみにしています。(2015.3.23)

校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」11

          卒業式をみんなで創り上げよう
                         伊達市立大枝小学校長 安生昌弘

 あと2週間で卒業式がやってきます。いよいよという感じですね。卒業式が近づくと,私は忘れられない,ある卒業式を決まって思い出します。
 それは,私がある小学校で6年生を担任していた時の卒業式のことです。その学校は6年生が60人で2組まである小学校でした。6年生が60人もいると,大枝小のように卒業式の中で別れの言葉を長く話すなんてことができません。ですから,1〜5年生の在校生や保護者の方,先生方に贈る別れの言葉は一人1回位,しかもほんの一言を担当して行います。
 その学校の6年生は,3月のはじめから何度も何度も別れの言葉を練習して,3月23日の卒業式当日を迎えました。でも実は,その小学校では卒業式の1週間前からインフルエンザが流行っていました。各学年で毎日何人かがインフルエンザで学校を休んでいましたが,6年生だけは当日まで全員が休まず登校し,「さすが6年生だね。卒業式を控えていると違うね」などと他の学年の先生方にほめて頂いていました。でも,実際は卒業式があるのでインフルエンザに負けないぞと必死に頑張っていたのかも知れません。卒業式当日も6年生だけは全員が登校しました。
 いよいよ卒業式が始まりました。卒業証書授与が終わり,ご来賓の方々のお祝いの言葉も終わり,残るは6年生の別れの言葉だけです。立派な別れの言葉が始まり,広い体育館に心のこもった言葉が響きます。別れの言葉が中盤頃にさしかかると,立っている6年生のある一人が具合が悪くなったのかイスに腰かけてうつむいています。学校でインフルエンザが流行っていましたから,インフルエンザかも知れません。保健の先生が静かにだけど素早く,その子に近づくとその子の様子を見てから保健室で休ませるために連れ出していきました。6年担任である私は,ハッとしました。その子の別れの言葉の担当の箇所がまだだとすると別れの言葉が途中で止まってしまうからです。でも大丈夫でした。その子の担当した言葉はもう終わっていました。ホッとしました。何とかセーフです。
 ところが,しばらく別れの言葉が進むと,大変なことが起きました。別れの言葉の担当箇所がまだ終わっていない子が何人も具合が悪くなって次々と青い顔をして保健室へ連れ出されていくのです。別れの言葉がちゃんと進むのだろうかと心配になって,今度は私が青い顔になってしまいました。「ああ,もうすぐさっき連れ出された春男君のところだ。しかもとても大切な言葉だ。ああ,もうだめだ。」気をつけのまま6年生たちと一緒に立っている私は,どうすることも出来ませんでした。
 次の瞬間です。春男君の隣の席の夏夫君が担任の先生である私を見ています。何となくその目が「先生,任せてよ。」と言っているような気がしたので,私はコクっと小さくうなずきました。すると夏夫君はニコッとして再び前を向いて別れの言葉に加わっていきました。そして,すぐに春男君の担当の箇所がやってきました。するとどうでしょう。春男君に任せた大切な言葉を夏夫君が春男君と同じように心のこもった大きな声で体育館に響かせてくれました。そして,その後も保健室に連れ出された友達の近くの席の子が何人も立派に代わりの役を務めてくれました。6年生全員が揃っていないのに何事もなかったように別れの言葉は立派に終わりました。練習を通して友達の担当の言葉も覚えてしまっていて,それぞれが自分で判断して具合が悪くなって保健室に連れ出された友達の代わりにやり遂げてくれたのです。
 卒業式をはじめとして,行事などの本番では何が起こるか分かりません。本番で何が起きても大丈夫なように練習するにはどうすれば良いかな。自分のやることや自分の別れの言葉だけ覚えようとしてはダメかも知れないね。みんなで創り上げようと友達と協力してお互いに思いやりながらやさしい心で練習し,本番でうまくいかなくてもかしこく考えて行動するときっとうまく出来るのでしょうね。卒業式まであと17日です。1年生から5年生と,そして6年生。みんなで力を合わせて最高の大枝小卒業式を創りあげていきましょう。  (2015.3.6)

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