最新更新日:2017/03/31
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朝の会の話 〜 かしこく やさしく たくましく 9 〜

   人間は命をいただいている 〜「いただきます」の理由 〜
                   伊達市立大枝小学校長 安生 昌弘
 収穫の秋は食べ物が豊富でおいしい季節です。今日は「食べる」ということについて話をします。
 人間は,生きるためにものを食べますが,みんなは,食事の時に「いただきます」と言いますね。どうしてですか。そうですね。食事を作って下さった方に感謝の気持ちを伝えるあいさつですね。でも,もう一つ意味があるのです。「いただく」は「自分よりも上のものとして高く差し上げる」という意味もあるのです。つまり,「いただきます」のあいさつは,食べ物自体を有り難いものだと言葉にして感謝することでもあるのです。でも,どうしてでしょうか。それは,食べ物についてじっくり考えると分かってきます。
 食べ物は,すべて「植物」と「動物」を合わせた「生き物」,言い換えると「命」なのです。ちょっと考えてごらんなさい。元が命ではない食べ物ってないでしょう。お米もパンの材料の小麦粉も野菜も植物という生き物で命ですし,魚や肉は本当に動いていた動物で命ですよね。その命を人間は食べてしまうことで終わらせてしまうわけです。または,食べるために生き物の命を終わらせてしまうんです。私たちは普段あまり考えていないけれど,食べるものとしてお店に並んでいるものや食事としてテーブルの上に並んでいるものは,すべて人間が生きるために命を差し出してくれた生き物なのです。そう分かると,好き嫌いをしたり,無駄にしたりするといけないのだなと思いますよね。生き物の命である食べ物を大切に食べてあげなくちゃと思うでしょう。
 日本人は,人間のために命を差し出してくれた生き物を自分の頭の上に高く差し上げて,感謝の気持ちよりももっと大きな自分より尊いものという尊敬の気持ちを「いただきます」というあいさつに込めているのです。素晴らしいですね。そして,食べ終わった後は「ごちそうさま」というあいさつをしますね。これは,今度は食べ物を準備してくれた人や作ってくれた人への感謝のあいさつです。「ご馳走」とは「馬を走らせたり自分が走り回って準備したもの」という意味です。「そんなに努力してまで準備してくれてありがとう」という意味なんです。外国には「いただきます」や「ごちそうさま」に当たる言葉が無いそうです。食べる前に神様に感謝のお祈りをしたり,食べた後に「美味しかったよ」という位だそうです。日本人は生き物の命を「いただく」,準備してくれた人に感謝して食べ物を「ごちそう」と呼んで言葉にしてきたのです。
 今日は食べ物が生き物の命であることを忘れずに心を込めて「いただきます」のあいさつをし,命を無駄にせずに好き嫌いなく食べ,準備してくれた人に感謝して「ごちそうさま」のあいさつをしようというお話でした。  (2015.11.6)
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