最新更新日:2017/03/31
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校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」5

        〜 力を合わせると何でも出来る 〜       

 あと10日位で「枝っ子まつり」があります。楽しみですね。どの学級も劇を練習していますが、劇は皆が学習を通して考えたことや思ったことを分かりやすく伝えるために行うものです。そんな劇の練習を見ていると、私は自分が、ある小学校の2年生の担任をしていた時の事を思い出します。
 私が担任していた2年2組は30人の学級でした。1組の30人と合わせて60人で劇を発表することになりました。2年生は小さいけれど、いつもみんな仲良しで、何をするにも全員で力を合わせて学習していたので、「小さくて弱いものでも、力を合わせると負けないぞ」というメッセージを劇で伝えることにしました。それで選んだ、お話が『オタマジャクシ兄弟の冒険』でした。生活科でオタマジャクシを育てたことも理由でした。2年生は60人もいるものですから、主役のオタマジャクシ兄弟は何と10人兄弟です。オタマジャクシは、カエルの子です。カエルは500個位卵を産むそうですから、まあ良いかなというわけです。
 1組と2組が合わさって役を決めました。セリフのたくさんある、主役のオタマジャクシの兄弟も5人が1組、残りの5人が2組で練習を重ねていきました。2年生は60人もいるものですから、普段はあまり話さない子ども同士も劇の練習の中で仲良くなっていったようです。本番が1週間後に迫ったある日、体育館の舞台の上で練習をしていました。1週間後が本番ですから、お客さんの入る、体育館のフロアーに私と2年1組の先生が立ち、60人の子どもたちは、全員、舞台の裏側に入っての舞台稽古という練習です。劇の舞台稽古が始まりました。10匹のオタマジャクシが自分たちに迫るピンチ、トンボの幼虫のヤゴやタガメという恐ろしい水中の昆虫に襲われたり、大水に流されたりすることを力を合わせて乗り越えていき、無事カエルに成長するという物語が進んでいきました。そして、とても上手に舞台稽古を終えることが出来ました。
 その日の舞台稽古が終わってから、2組の担任である私は、とんでもないことに気づきました。主役のオタマジャクシ役のA君が、その日は風邪で学校を休んでいたのです。セリフがたくさんありますから、劇が途中で止まってしまうはずです。でも、とても上手な劇でした。どうしてなのでしょうか。実は、その日いた、9人のオタマジャクシ役の子どもたちが、舞台の裏に入った1分間の間に、休みでいなかったA君のセリフを9人で分担して劇をやり遂げていたのです。子どもたちだけで分担し、しかも上手にセリフを言っていたので、担任の先生である私は気づかなかったのです。
 私は、感動しました。力を合わせる事のすばらしさを伝える劇の練習で、子どもたちは本当に力を合わせる事のすばらしさを実行してくれていたのです。私は「これで本番もだいじょうぶだぞ。メッセージは必ず伝わる。」と感じました。みんなの伝えたいことは「心がつながるって素晴らしい」ですよね。それを大切にして力を合わせて練習すればだいじょうぶです。堂々と劇や発表ができるようにして、「枝っ子まつり」の日を迎えて欲しいと思っています。(2013.10.15)
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