最新更新日:2017/03/31
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校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」8

           〜 生命と季節 〜  
 2月3日の夜、節分の豆まきはどうでしたか。元気にできたかな。翌日の2月4日、立春が過ぎたので暦(こよみ)の上では春がやってくる頃になりました。ずっと南の沖縄県では「寒緋(かんひ)桜」という春早くに咲く桜が、もう咲いているそうです。でも、福島県はまだまだ寒く、ここは冬本番という感じですね。この寒さの中でも、このホールから見える樫の木は、葉っぱを落とさずに頑張っています。普通はこのように平たい葉っぱの木は、寒くなってくると赤や黄色に紅葉して葉を落とします。松や杉など、針のように尖(とが)った葉っぱの木は、寒くなっても紅葉したり葉を落としたりしないことが多いです。桜の木や梅の木のように全ての葉を落として枝だけになっているような木は死んでしまったのでしょうか。死んでしまったのではないことは、みんなも分かっていますよね。では、なぜ桜の木や梅の木は葉を落とすのでしょうか。落ち葉について『葉っぱのフレディ』というお話があります。

   春のある日、ある木に新しい葉っぱが誕生しました。フレディとその仲
  間たち、ダニエル、クレア、ベンジャミンたちです。春には、生まれた喜
  びをからだいっぱいに感じました。
   夏になりました。葉っぱたちは立派なからだに成長しました。ダニエル
  たちはフレディに葉っぱには大切な仕事があると教えました。それは木を
  育てるだけでなく、人間に対して、涼しい木陰をつくってあげたり、雨降
  りの時、雨宿りの場所に使ってもらうことでした。
   秋になり葉っぱたちは美しく紅葉しました。しかし、まもなく冷たい風
  が吹き始め、葉っぱたちは散ること、つまりは死ぬことを覚悟しなければ
  ならなくなりました。フレディはダニエルに訊ねました。「春に生まれて
  冬に死ぬのだったら、ぼくはどうして生まれてきたんだろう」と。
   冬がさらに近づきました。ダニエルたちは「死ぬことは命が入れ替わる
  ことだよ。命は永遠に生き続けるんだ。」と言って次々に散って死んでいき
  ました。そして、冬のある朝、枝にたった一人残ったフレディはつぶやき
  ました。
  「ぼくは死ぬけど、春になると命が引き継がれて、この枝から新しい命が
   生まれるんだな。」
  やがて、雪が降った地面の上にフレディは独りで散ってゆきました。

 木は冬の間、役目の終えた葉を散らして、次の新しい命である花や葉を生み出す準備をし続けているのですね。実は、この樫の木の葉も春から夏にかけて新しい葉と入れ替わっているんです。紅葉しないので気づかないんですね。樫の木の根元に葉が落ちているでしょう。私たちも同じかも知れません。春からの中学校や新しい学年に進んだ時に精一杯頑張れる力を寒い今の時期につけておかなければならないんです。寒さを自然からの励ましだと思って、授業に集中して学習したり、家庭学習をたくさんやったり、本をたくさん読んだりして、学校でも家庭でも粘り強く学んでいきましょう。体力づくりでは縄跳びを頑張っていますね。葉っぱのフレディのように自然の中には、私たち人間が生き方のお手本にできるものがたくさんあるのです。 (2014.2.7)

校長室だより…朝の会のお話 「かしこく やさしく たくましく」 7

  〜 失敗に学ぶ知恵 〜   

 皆さんは『イソップ童話』を知っていますか。ヨーロッパに古くから伝わるお話を集めたもので,「アリとキリギリス」とか「ウサギとカメ」とか「オオカミと少年」など,たくさんのお話がその中に入っています。その中の一つに「北風と太陽」というお話があります。

  “ 冬のある日,広い草原の一本道を一人の旅人が歩いておりました。
   それを見て,北風は太陽に言いました。
   「あの旅人の上着をどちらが先に取り去ることが出来るか競争しよう」
   北風は力いっぱい風を吹きつけました。しかし,旅人は寒さに震え,上着で
   体をギューッとくるみました。そこで,北風はもっと強く吹きつけました。
   しかし,旅人は身を守るように上着をさらにきつく巻きつけました。失敗です。
   今度は,雲の合間から太陽が現れました。そして,旅人をさんさんと照ら
   しました。旅人は体が温かくなって気持ちよくなり汗も出てきて,上着を
   脱ぎました。太陽は,旅人の上着を取り去ることに成功しました。 ”

 北風はなぜ2回も失敗をして,太陽はなぜ成功することが出来たのでしょうか。何となく分かりますね。北風は1回目の失敗を反省することなく同じように繰り返してしまったからです。それに対して太陽は北風の失敗を生かして,北風と違う方法で成功することが出来たのです。太陽はかしこいですね。失敗したことを無駄にしないで次に生かしていくことも「学ぶ」と言います。失敗に学んでいくと,「かしこく」なることが出来るのです。
 みんなが毎日やっている授業も自分の学習も同じです。間違いや失敗をして良いのです。それを無駄にせずに生かして行くことが「学ぶ」ことなのですから……。授業や学習の中で間違うことや失敗することは恥ずかしいことではありません。本当に恥ずかしいのは,間違うことや失敗することではなく,学ばずに同じ間違いや失敗を繰り返してしまうことなのです。間違いや失敗を恐れずにチャレンジしてダメだったら,まず反省することが大事です。そして次に,間違いや失敗を生かして学んでいくのです。「反省できる人のみ,より良い人になれる」と言われるのはそのためです。さらに,授業で間違いや失敗をすると,それは友達が「北風と太陽」の太陽のように失敗に学ぶことへとつながります。自分の間違いや失敗が友達の学びに役立つのです。教室は,そんな素晴らしい場所なのです。授業での間違いや失敗は,みんなの「学ぶ」ためのチャンスです。授業や学習,そして学校生活の中でたくさんの間違いや失敗に学んで,「かしこく」なりましょうね。(2013.12.06)

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