最新更新日:2017/03/31
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平成26年度 修了式の話

         平成26年度 修了式の話
                        伊達市立大枝小学校長 安生 昌弘

 今日は長かった学校の1年,4月から始まって3月に終わる平成26年度の締めくくりの日です。台風で2日間学校が特別お休みになりましたから,202日,学校に来て頑張ったことになります。大枝小のみんなは学校をほとんど休まないので大体の人が200日位頑張ったことになるんですね。素晴らしいです。その結果,みんなは今日,通知表の後ろにある「修了証書」を頂いて,4月から1つ上の学年で学習できるようになります。修了とは終わりの「終了」ではなく,今の学年の学習すべきことを身につけたという意味の「修了」なのです。学年が自然に上がっていくわけではないのですね。
 ところで,世界の国々は4月から学校の1年が始まる国ばかりではありません。アメリカ合衆国やヨーロッパの国々は9月から学校が始まりますし,お隣の韓国は3月の今が学校の始まりだそうです。4月始まりは日本くらいなのですね。みんなは,4月が新しい学年のスタートになりますから,春休み中にしなければならないことがあります。人間は忘れる生き物ですから,新しい学年のスタートがきちんと切れるように今の学年の学習をきちんと身につけ直さなければなりません。今まではなかったと思いますが,今年は大枝小版春休みの友を宿題に出しました。みんなのお父さんやお母さんには「大枝小の子は,春休み中にたくさん勉強するはずです。」と言ってあります。家族に「勉強しなさい。」と言わせずに「勉強ばかりして,あんまり無理しないでね。」などと言わせて下さい。毎日続けてコツコツやり続けることもみんなが身につけなければならない事なんです。
 最後に,今日は担任の先生との1年間の締めくくりでもありますから,1年間ご指導していただいた感謝の気持ちを自分の言葉で一人一人伝えるようにしましょう。「ありがとうございました。」の言葉に何かをつけて担任の先生に伝えて下さい。心を伝えるのが言葉の役割なのです。4月6日,新学期に元気なみんなと会えるのを楽しみにしています。(2015.3.23)

校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」11

          卒業式をみんなで創り上げよう
                         伊達市立大枝小学校長 安生昌弘

 あと2週間で卒業式がやってきます。いよいよという感じですね。卒業式が近づくと,私は忘れられない,ある卒業式を決まって思い出します。
 それは,私がある小学校で6年生を担任していた時の卒業式のことです。その学校は6年生が60人で2組まである小学校でした。6年生が60人もいると,大枝小のように卒業式の中で別れの言葉を長く話すなんてことができません。ですから,1〜5年生の在校生や保護者の方,先生方に贈る別れの言葉は一人1回位,しかもほんの一言を担当して行います。
 その学校の6年生は,3月のはじめから何度も何度も別れの言葉を練習して,3月23日の卒業式当日を迎えました。でも実は,その小学校では卒業式の1週間前からインフルエンザが流行っていました。各学年で毎日何人かがインフルエンザで学校を休んでいましたが,6年生だけは当日まで全員が休まず登校し,「さすが6年生だね。卒業式を控えていると違うね」などと他の学年の先生方にほめて頂いていました。でも,実際は卒業式があるのでインフルエンザに負けないぞと必死に頑張っていたのかも知れません。卒業式当日も6年生だけは全員が登校しました。
 いよいよ卒業式が始まりました。卒業証書授与が終わり,ご来賓の方々のお祝いの言葉も終わり,残るは6年生の別れの言葉だけです。立派な別れの言葉が始まり,広い体育館に心のこもった言葉が響きます。別れの言葉が中盤頃にさしかかると,立っている6年生のある一人が具合が悪くなったのかイスに腰かけてうつむいています。学校でインフルエンザが流行っていましたから,インフルエンザかも知れません。保健の先生が静かにだけど素早く,その子に近づくとその子の様子を見てから保健室で休ませるために連れ出していきました。6年担任である私は,ハッとしました。その子の別れの言葉の担当の箇所がまだだとすると別れの言葉が途中で止まってしまうからです。でも大丈夫でした。その子の担当した言葉はもう終わっていました。ホッとしました。何とかセーフです。
 ところが,しばらく別れの言葉が進むと,大変なことが起きました。別れの言葉の担当箇所がまだ終わっていない子が何人も具合が悪くなって次々と青い顔をして保健室へ連れ出されていくのです。別れの言葉がちゃんと進むのだろうかと心配になって,今度は私が青い顔になってしまいました。「ああ,もうすぐさっき連れ出された春男君のところだ。しかもとても大切な言葉だ。ああ,もうだめだ。」気をつけのまま6年生たちと一緒に立っている私は,どうすることも出来ませんでした。
 次の瞬間です。春男君の隣の席の夏夫君が担任の先生である私を見ています。何となくその目が「先生,任せてよ。」と言っているような気がしたので,私はコクっと小さくうなずきました。すると夏夫君はニコッとして再び前を向いて別れの言葉に加わっていきました。そして,すぐに春男君の担当の箇所がやってきました。するとどうでしょう。春男君に任せた大切な言葉を夏夫君が春男君と同じように心のこもった大きな声で体育館に響かせてくれました。そして,その後も保健室に連れ出された友達の近くの席の子が何人も立派に代わりの役を務めてくれました。6年生全員が揃っていないのに何事もなかったように別れの言葉は立派に終わりました。練習を通して友達の担当の言葉も覚えてしまっていて,それぞれが自分で判断して具合が悪くなって保健室に連れ出された友達の代わりにやり遂げてくれたのです。
 卒業式をはじめとして,行事などの本番では何が起こるか分かりません。本番で何が起きても大丈夫なように練習するにはどうすれば良いかな。自分のやることや自分の別れの言葉だけ覚えようとしてはダメかも知れないね。みんなで創り上げようと友達と協力してお互いに思いやりながらやさしい心で練習し,本番でうまくいかなくてもかしこく考えて行動するときっとうまく出来るのでしょうね。卒業式まであと17日です。1年生から5年生と,そして6年生。みんなで力を合わせて最高の大枝小卒業式を創りあげていきましょう。  (2015.3.6)

校長室だより…朝の会のお話「かしこく」「やさしく」「たくましく」10

          〜 「ノーベル賞」って何だろう 〜
                         伊達市立大枝小学校長 安生昌弘

 これはLEDの光ですね。日本語で言うと「発光ダイオード」という電灯の光です。
明るいでしょう。明るいけどあまり電気を必要としない素晴らしい電灯です。去年の秋頃,このLEDに関わって日本人3人の科学者の大きなニュースがありましたね。覚えていますか。そうです。ノーベル賞をスウェーデンという北ヨーロッパの国のノーベル財団という団体からいただいたんですね。赤崎さん,天野さん,中村さんの3人です。年末の12月10日にはスウェーデンのストックホルムという都市で表彰式が行われました。ニュースで見たでしょう。さっきのような明るい白いLEDライトが作られるようになったのは,赤崎さん,天野さん,中村さんたちの開発した明るく点く青色LEDのおかげなんです。でもそれでなぜノーベル賞を,しかも外国であるスウェーデンの団体からいただけたのでしょう。ちなみにメダルの他に3人に合わせて賞金800万クローナ(スウェーデンのお金の単位:日本のお金で1億2000万円位)をいただいたそうです。
 ノーベル賞は,今から120年近く前に亡くなったスウェーデンの発明家アルフレッド・ノーベルの提案と財産の寄付で始まったものです。ノーベルは素晴らしいアイディアでその頃まだ無かったダイナマイトという爆発する道具を発明しました。これが売れに売れて大金持ちになったのです。ダイナマイトは,もともとは岩を爆発で砕いてトンネルを掘ったり,道路を造ったりする工事の道具でした。しかし,ダイナマイトの技術は,その後戦争の爆薬や爆弾に利用されてたくさんの人の命を奪うことになってしまいました。そのことを残念に思っていたノーベルさんは亡くなる時に多くの財産のほとんどを自分の国,スウェーデンに寄付して「人類のためにとても役立つことをしてくれた人に財産を分けてほしい」と言葉を残したそうです。それで今から115年前,20世紀始まりの年である,1901年にノーベル賞がスタートしたのです。
 ノーベル賞には6つの種類の賞があります。電気のことは物理学賞というものに含まれますので,赤崎さん,天野さん,中村さんの3人はノーベル物理学賞でした。ところが,科学者が何かを発見や発明するだけがノーベル賞ではないのです。ほら,ノーベルさんの願いは「人類のためにとても役立つこと」ですから。他の種類にノーベル平和賞というものがあります。私は,もしかするとノーベルさんが最も望んでいた賞ではないかなと思います。だって,自分の発明したダイナマイトの技術が戦争に使われて人の命を奪うことになってしまったことを残念に思っていたのですから……。
 去年のノーベール平和賞にたいへん素敵な女の子が選ばれました。アジアのパキスタンという国の17才の女の子マララさんです。17才といえば,日本では高校2年生位なので女の子と言いましたが,女の子と呼ぶにはあまりに立派な女性なのです。マララさんは15歳の時にイスラム教という神様の教えを間違えて考えている大人の男たちに頭を銃で撃たれてしまいました。その男たちは女の子が学校へ行くのをダメだと考える人たちで,堂々と学校へ行くマララさんが憎かったようです。マララさんはその後,手術で奇跡的に助かりました。普通怖くなって何もできなくなってしまいそうですが,マララさんは,逆に戦争や暴力をなくし,世界中の多くの女の子を学校に行かせて下さいと学校や教育の大切さを世界中に向けて訴える活動にがんばるようになったのです。ノーベルさんの戦争や暴力を残念に感じる思いとノーベル賞の「人類のためにとても役立つこと」にマララさんの行動がぴったりだと思いませんか。だから私は,マララさんがノーベル平和賞を受賞したことがとても素敵だと思いました。学校に行って勉強することが憧れの夢である女の子が世界中で6600万人,日本の人口の半分以上もいるのだそうです。私たちはなんて幸せなんでしょうね。そして,ますますがんばろうと思わなくちゃなりませんよね。
 今日は,ノーベル賞って何かなということと学校で勉強できるということはノーベル賞で称えるほど人類にとって幸せなことなんだというお話でした。(2015.2.6)

校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」9

         〜「おおえだ心の誓い」を始めよう 〜
                        伊達市立大枝小学校長 安生 昌弘

 みんなは学校って何をするところだと思いますか。そうですね。学校は学習するところですが,勉強を出来るようにするだけの場所ではないのです。もう一つ大事なみんなの「心」をよりよくする場所なのです。それを大枝小の教育目標では「やさしく」と表わしてみんなは頑張っていますよね。先生たちがみんなに期待している姿は「広い心をもった子ども」なんです。広い心ってどんな心なのでしょうね。狭い心の反対と考えると分かるかも知れませんね。まずは,優しさでしょうか。人を許すなんて事もありますね。人に親切にすることもそうかも知れません。大枝小学校には,学校生活の目標「5つの約束」がありましたが,心の目標が「やさしく」しかありませんでした。そこで,『おおえだ心の誓い』というものを新しく創りました。これから毎朝,みんなで声に出して言ってもらうことにしました。
  『おおえだ心の誓い』とは,何でしょうね。3つあるんです。一つめは,「お」,「オアシスを心がけます」という誓いです。オアシスとは水のない砂だけの砂漠の中に,そこだけ水がわき出ていて林が茂っている,生き返るような場所のことです。また,心が穏やかになる場所という意味もあります。日本の社会には人と人とのつきあいを砂漠のオアシスのように生き返らせ,安心できる世の中にしようと「オ・ア・シ・ス」から始まる言葉を心がけて言おうというオアシス運動というものが昔からあります。「オ,おはよう」「ア,ありがとう」「シ,しつれいします」「ス,すみません」とみんなが言うと人と人とが仲良しになれるのです。「おはよう」は,あいさつをするということです。「ありがとう」は感謝の気持ちを伝えるということです。「しつれいします」は礼儀正しくするということです。「すみません」は素直に謝るということです。みんなとよりよくつながろうということなんですね。
 二つめは,「え」,「笑顔でがんばります」という誓いです。自分の夢や希望に向かって苦しい事を我慢して頑張ろうということです。Dreams come true togetherです。でも頑張るんだけど,苦しくても笑顔を忘れずに明るく進んで行きましょうということなんです。自分の心を大きくもってね……。
 三つめは,「だ」,「誰にでも親切にします」という誓いです。仲の良い人,好きな人,気が合う人に親切にするのは当たり前ですね。でも,誰にでも親切に出来るのは,広い広い心がないと出来ません。そして親切にされた人は,他の人に親切にしますから,親切は世の中に広がっていくものなんです。
 「お」,「オアシスを心がけます」,「え」,「笑顔でがんばります」,「だ」,「誰にでも親切にします」の3つが『おおえだ心の誓い』なんです。勘のいい人は気づきましたね。「お(お)・え・だ」なのです。明日から毎朝唱和してその日その日をよりよい一日にしてほしいと願っています。

   「おおえだ心の誓い」 『お』・「おあしすを心がけます。」
                 『え』・「えがおでがんばります。」
                 『だ』・「だれにでも親切にします。」

今日は,『おおえだ心の誓い』を始めようというお話でした。(2015.1.19)

校長室だより … 始業式の話

       平成26年度 第3学期始業式の話
                             大枝小学校長 安生昌弘

 冬休みが終わりました。楽しく過ごせましたか。終業式に言ったように家族と一緒にいっぱい過ごして話をしましたか。そして,去年を「終わりよければ,すべて良し。」にすることができましたか。
 さて,今日は平成27年最初の学校の日です。みんなは学年が1つ上に上がる年のスタートの日です。特に6年生は卒業をして梁川中学校へと進学する年になりました。いよいよという感じですね。今年はひつじ年で,羊という動物はのんびりした優しいイメージのある動物なので平和な年になると良いなあと思います。また,ひつじ年は十二支では「未年」と書いて表します。十二支の八番目で,「八」は末広がり縁起の良い字だし,「未」は「未来」の一文字でもあるので,希望が叶っていくような予感がしてきますね。
 ところで,今日は1月8日ですが,1月7日までに家族から「あなたの今年の計画や目標は何かな。」と訊ねられた人はいますか。実は日本には古くから「一年の計は元旦にあり」といって「その年1年間の計画は元日の朝に決めると良い」ということわざがあります。これは本当は「計画や目標は早いうちにしっかり立てなさい」という私たちの生き方へのアドバイスなのです。
 計画や目標がどれだけ大事なのかを教えてくれる諺(ことわざ)の話をします。私が中学生の時に担任の先生に教えてもらった諺です。それは,「棒ほど願って,針ほど叶う」という諺です。「人がこうなりたいと棒の太さ程の難しさの目標を持って頑張ったとすると,実際は針ほどの細さのことしか出来るようにはならないよ。だから,夢はでっかく,目標は高くしなさい。」という意味です。きっと中学生だった私は,その時,自分の目標が低すぎたのでしょうね。目標を考え直させるために,担任の先生は私に「棒ほど願って針ほど叶う」のことわざを教えて下さったのでしょう。それからは,希望を持ったり,目標を立てたりするときは,いつも「棒ほど願って,針ほど叶う」という諺を思い出して生活してきました。だから,いろいろな願いを叶えるために頑張って来られたのかなと思いますよ。
 3学期の学校での目標は,担任の先生と相談しながら「棒ほど願って針ほど叶う」を考えながら立てて下さい。また,その他に自分の1年間の計画や目標を立ててください。そして,家族に計画や目標を訊かれていない人は「ボクの今年の計画や目標はこんな事なんだ。」と1月15日までの間に家族に話してください。そうすれば,きっと家族はみんなを応援してくれるし,何よりも怠けそうになる自分を自分の心が励ましてくれるようになります。1月15日までは,もともとは「松の内」といってお正月の飾りを出しておく期間なので「元旦」と同じと考えて,大枝小のみんなの家庭では計画や目標が間に合うことにしましょう。そして,3学期は授業がある日が51日と少し短いけれど,「棒ほど願って,針ほど叶う」ということを考えながら立てた目標で,今の学年や小学校生活のまとめに向けてしっかり頑張っていきましょう。

平成26年度 第2学期終業式の話

            平成26年度 2学期終業式の話
                            大枝小学校長 安生 昌弘

 今日は2学期の終業式,2学期が終わる,締めくくりの日です。2学期は何日,学校の日があったのでしょうか。予定では81日間でしたが,台風で1日お休みがあったので,80日間でしたね。毎日の4時間から6時間の授業に加えて,たくさんの学校行事や体験活動をしてきました。始業式から始まって,全力を尽くした5・6年生の陸上記録会,関西二期会の皆さんとの素晴らしいステージ,たくさん頑張った枝っ子祭り(学習発表会),自分の限界に挑戦した校内マラソン記録会,雪の美しさを知った裏磐梯の見学学習,6年生の授業に多くの先生方がいらっしゃったこともありましたね。振り返って考えると,80日間の積み重ねってすごいことだと思いませんか。
 さて,明日から16日間の冬休みが始まります。冬休みは寒いけれど,夏休みにはない楽しい家庭の行事がたくさんあるので,なぜかうきうきします。楽しみだね。
 まずは,クリスマスをお祝いするでしょう。なぜか日本人は1年に1回だけ外国の神様であるイエス・キリストの誕生日をお祝いします。外国のヨーロッパやアメリカなどの欧米の国々の人は英語助手のライアン先生のように遠くの外国で働いている家族の人までが飛行機に乗ってクリスマスには元の国の家族の家に集まるそうです。それだけ家族みんなが大事にしている日なんです。
 次は,大晦日とお正月ですね。この時,日本では家族が久しぶりに集まることが多いです。毎月の最後の日を「晦日」といい,その中でも12月の最後の日は1年の最後でもあるので大「晦日」というわけです。日本人はその年の最後の日である12月31日(大晦日)と翌日の1年最初の日,1月1日(元旦)に家族一緒に過ごすことを大切にしているのです。私たち日本人が物事の最初と最後を大切にしていることが何となく分かりますね。今日は2学期の最後の日ですし,まもなく1年の最後の日の大晦日もやってきますから,物事の終わり,締めくくりについて話をします。
 物事の終わりというと日本には昔からこんな言葉があります。「終わりよければ,すべて良し。」何事も始め方ややっている途中がうまくいかなくても,最後の締めくくりをしっかりやると大成功にすることができるよという魔法のような言葉です。つまり,1年の最後に挽回のチャンスがあるということです。もしかしたら,年末やお正月に大人の人にきちんと挨拶できれば,大枝小5つの約束の1番目,挨拶するというめあてを大成功にすることができるのかも知れません。また,家の掃除を手伝うことも大枝小5つの約束の5番目,整理整頓のめあてを挽回して大成功にすることにできるのかも知れませんね。1年間や2学期の学習のめあてがあった人も冬休みは挽回のチャンスですよ。めあて通りになかなかうまくできない私たちに優しい言葉ですよね。「終わりよければ,すべて良し。」は……。
 さあ,明日から冬休み,2学期の学習のまとめと自分が思いつく生活のことでの何か一つ以上の事を「終わりよければ,すべて良し。」にして,気持ちよく大晦日を迎えて下さい。これが私からの冬休みの宿題です。3学期が始まる1月8日に「終わりよければ,すべて良し。」にできたみんなが,すっきりした顔で元気に登校することを楽しみにしています。

校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」8

       〜 遊んで暮らせるのに,なぜ戻ったの? 〜
                             大枝小学校長 安生昌弘 
 みんなは浦島太郎のお話を知っていますか。

 むかしむかし,ある村に,心のやさしい浦島太郎(うらしまたろう)という若者がいました。浦島(うらしま)さんが海辺を通りかかると,子どもたちが大きなカメを捕まえていました。そばによって見てみると,子どもたちがみんなでカメをいじめています。
「おやおや,かわいそうに,逃がしておやりよ」
「いやだよ。おらたちが,やっと捕まえたんだもの。どうしようと,おらたちの勝手
だろ」
見るとカメは涙をハラハラとこぼしながら,浦島さんを見つめています。浦島さんはお金を取り出すと,子どもたちに差し出して言いました。
「それでは,このお金をあげるから,おじさんにカメを売っておくれ」
浦島さんは,子どもたちからカメを受け取ると,カメをそっと,海の中へ逃がしてやりました。
さて,それから二,三日たったある日の事,浦島さんが海に出かけて魚を釣っていると,「・・・浦島さん,・・・浦島さん」と,誰かが呼ぶ声がします。
「わたしですよ」
すると海の上に,ひょっこりとカメが頭を出して言いました。
「このあいだは助けていただいて,ありがとうございました。おかげで命が助かりま
 した。ところで浦島さんは,竜宮へ行った事がありますか?」
「竜宮? さあ? 竜宮って,どこにあるんだい?」
「海の底です。わたしがお連れしましょう。さあ,背中へ乗ってください」
 カメは浦島さんを背中に乗せて,海の中をずんずんともぐっていきました。海の
中にはまっ青な光が差し込 み,コンブがユラユラとゆれ,赤やピンクのサンゴ
の林がどこまでも続いています。浦島さんがウットリしていると,やがて立派な
ご殿(てん)へ着きました。カメに案内されるまま進んでいくと,この竜宮の主人
の美しい乙姫(おとひめ)さまが,色とりどりの魚たちと一緒に浦島さんを出迎え
てくれました。
「ようこそ,浦島さん。わたしは,この竜宮の主人の乙姫です。このあいだはカメを
助けてくださって,ありがとうございます。お礼に,竜宮をご案内します。どうぞ,
ゆっくりしていってくださいね」
 浦島さんは,竜宮の広間ヘ案内されました。浦島さんが用意された席に座ると,
魚たちが次から次へと素晴らしいごちそうを運んできます。ふんわりと気持ちのよ
い音楽が流れて,タイやヒラメやクラゲたちの,それは見事な踊りが続きます。ここ
はまるで,天国のようです。そして,「もう一日,いてください。もう一日,いてく
ださい」と,乙姫さまに言われるまま竜宮で過ごすうちに,三年の月日がたってしま
いました。
三年たったある日,浦島さんは竜宮から帰ろうと思いました。
 今日の浦島太郎のお話は,ここまでです。
 浦島さんは,3年もの間,仕事もせずに毎日遊んで暮らし,おいしいごちそうを音
楽や踊りを見ながら食べる,天国のような生活をしていました。一生そうやって暮
らすことも出来たのに,なぜ帰ろうと思ったのでしょうね。遊んでいた方が楽なの
に,仕事をしたり食事を作ったりする,暮らすのが楽ではない世界に戻ろうと思っ
たのでしょうね。みんなの考えを作文に書いて校長先生に教えて下さい。これが校
長先生からの宿題です。今日は,浦島太郎がなぜ遊んで暮らせる竜宮城から遊
んでばかりはいられない元の世界に戻ったのかなというお話でした。(2014.12.5)

校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」7

        ♪ 「 文化の郷土(さと)を築くのだ 」
                             大枝小学校長 安生昌弘

 枝っ子祭り(学習発表会)が終わって1週間が過ぎます。振り返ってみると一人一人みんながよくがんばった学習発表会でした。
 1・2年生は『サラダで元気』を劇にして発表しましたね。その題名通り,元気いっぱいのセリフや歌が素晴らしかったです。お母さんを心配してサラダを作るりっちゃんの思いやりやサラダ作りに力を貸す動物たちの優しさが十分に伝わり,野菜の健康へのよさも分かってもらえたと思いますよ。
 3年生は『北風と太陽』というイソップ童話の続き話を劇にして発表しました。独りでも元気よく歌い,恥ずかしがらずに演技できたので,面白いところでは皆さんが笑ってくれましたよね。人を笑わせるって,本当は難しいことなのですが3人の一生懸命さが伝わったので,笑っていただけたのですよ。仲良くすることばかりでなく,世界中が仲良く楽しい世の中になりますようにという思いも分かってもらえたと思います。
 5・6年生は『レ・ミゼラブル(ああ無情)』を劇で表現しました。悲しい場面があったり,戦いの場面があったりと難しかったと思いますが,役になりきって演技していました。さらに,独りで歌いながらの演技は,立派でした。大人でも難しいミュージカルの世界にチャレンジしたことは素晴らしかったです。人生は正しい道をその時その時に応じて,迷いながらも選んでいかなければならないのだと伝わったと思います。
 全校合唱で歌った『この星に生まれて』は,関西二期会の方々と一緒に歌った喜びをもう一度思いだたせてくれるような合唱でした。「 Dreams come true together(共に夢を叶えよう) 」というみんなの気持ちが伝わったと思います。
 全員合唱で歌った『花は咲く』は難しい大人っぽい歌でしたが,よく練習をして地域の皆さんとしっかり歌えましたね。この歌をみんなに歌ってほしいと,学校に『花は咲く』の楽譜を届けてくれた正門向かいの畑で作物を育てている吉田おばあちゃんは,涙を流しながらみんなの歌を聴いてくれたそうです。
 大條太鼓は,新しいメンバーで春から頑張ってきて,先月は夜にも保存会の方々に練習を見ていただきました。7ヶ月でずいぶんと上手になったなあとびっくりしました。大條太鼓は,何百年もの昔から大枝に伝わっていたいろいろな太鼓の叩き方を整理して,700年以上前に大枝城に住んでいた伊達氏の三男,大條孫三郎宗行に因(ちな)んで,20年以上前に今のような形の「大條太鼓」としてスタートしたんだそうです。地域の皆さんは「それを子ども達が叩いてくれるのがうれしい。」と言っておられました。喜んでもらえるってうれしいですね。
 ところで校歌の2番に「♪文化の郷土(さと)を築くのだ」という歌詞がありますね。「僕たち,私たち子どもが文化のある,ふるさと大枝を創るぞ」という意味ですが,文化とは演劇であったり,音楽であったり,学習したことだったりします。ですから,地域の方々がみんなの発表を楽しんで感動して下さったということは,みんなは,ふるさと大枝の文化の郷土づくりに役に立てたということです。たいへん素晴らしい枝っ子祭り(学習発表会)でしたね。お互いのがんばりに感謝して拍手を贈り合いましょう。みんな,ありがとう。  (2014.11.7)

校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」6

        Dreams come true together 夢をすてないで            
                             大枝小学校長 安生昌弘
 
 あと5日経つと関西二期会という,すばらしい合唱をいろいろな所でいろいろな人たちにコンサートで披露している合唱団の皆さんがやってきます。その内の5人の方々が春に一度いらっしゃって,みんなに合唱を教えてくれましたね。10月9日(木)は,その本番の大枝小学校合唱コンサートの日です。その時に大枝小のみんなが二期会の皆さんと共に歌う『この星に生まれて』をずっと練習してきましたね。その練習している歌が学校のどこからか聞こえてくると,私はとてもうれしくなります。『この星に生まれて』が大好きな歌だからです。その理由の一つは,何度も歌に出てくる言葉「 Dreams come true together 」が好きだからなのです。
 「 Dreams come true together 」とは,どんな意味だと思いますか。英語の
Dreams は「将来の夢」,come は「やって来る」,true は「本当に」,together は「一緒に」ですから,「みんな一緒に将来の夢は本当にやって来る」となります。分かりやすく言い直すと「みんな一緒に夢を叶えよう」ということです。「 Dreams come
true together 」はこんなすてきな言葉だったのです。
 実は『この星に生まれて』の歌詞(歌の言葉)では,夢を叶えるために大切なことも言っています。「つよく,つよく,歩きつづけて」ですから,「頑張って何事も続けて前に進むんだよ」ということです。河だってゆっくりでも流れ続けているでしょと言ってますね。また,谷間という厳しい場所にある白百合の花は寒い冬を耐えた後で花を咲かすのだから,みんなも百合に負けずに苦しいことを我慢するんだよとも言ってますね。人間は一人では生きていけないけど,みんな一緒に頑張り続けたり,苦しいことを我慢したりして,夢を叶えようよ,ということなんですね。『この星に生まれて』は,みんなの将来の夢を応援する歌なんです。だから私は,この歌が大好きだし,大枝小のみんなが歌っているのを聞くのが大好きなんです。朝の会の時に元気できれいな歌声が教室から聞こえてくると,私は,うっとりしてしまいます。歌には歌詞(歌の言葉)に込められたメッセージや歌っている人の気持ちをただの言葉より何倍も強く伝える力があるのですね。
 5日後のコンサートまでにもう一度,自分の将来の夢を考えて,本番では「自分の夢を叶えるぞ」と心の中で思いながら,関西二期会の方々と声を響き合わせながら『この星に生まれて』を堂々と歌ってほしいと思っています。みんなは,今はよく分からないかも知れないけど,本当に歌の上手な専門家の方々と一緒のステージで歌声を響かせること自体が,音楽を好きな人の夢の一つが叶うことかも知れませんよ。東大枝の地域の皆さんや梁川町の大人の合唱団の皆さんを招待しましたので,何人かは聞きに来ていただけるかも知れません。楽しみにしたいですね。自分の夢を持ち,それに向かって頑張ることが大切で,それを思いながら歌うことは,すばらしいんだよというお話でした。     (2014.10.3)

校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」5

      実るほど頭の下がる〔頭(こうべ)を垂れる〕稲穂かな   
                             大枝小学校長 安生昌弘
 
 2学期が始まった最初の朝,私は5・6年生だけの登校班と一緒に学校へ向けて歩いていました。その日はゴミの収集日らしく,あるおじさんが道路を挟んだちょっと離れた所に出てきました。するとその登校班の5・6年生は,すごく自然にさわやかな「おはようございます」という挨拶をしてくれました。ちょっと離れた,おじさんにも十分届く声の大きさでした。おじさんはちょっと恥ずかしそうに微かな挨拶を返してくれただけでしたが,表情にはうれしさが感じられました。私はとてもうれしくなりました。きっとほかの班のみんなも登下校の途中で会う人たちにさわやかな挨拶を届けてくれているんだろうなと思ったからです。今,届けると言ったけれど,そうなんです。挨拶は「その人のことを大切に思っているよ」という心を届けることなんです。挨拶は,私たちの目標の2番目「やさしく」を形にすることなんですね。
 始業式の時に,みんなの植えた稲が大きく育っていて,泥の中の栄養を吸い上げている姿を人間が頑張っている姿に例えましたね。あれから2週間経って,稲の頭の部分がますます下がってきました。中の米がどんどん育ってきて重くなってきたからですね。この様子を見て,昔の日本人はこのように言いました。「実るほど頭の下がる稲穂かな」と。「米が実れば実るほど重くなるので,稲穂の頭の部分が下がっていくよ」ということですが,本当の意味は別にあります。「実る」というのは「豊かになる」ということですから,「学習をよくやって知識が豊富(豊か)になった人ほど,または,心の豊かな人ほど,他の人に威張らず,いつも頭を下げるように優しくしているものだ」という意味なんです。つまり,私たちの目標の1番目「かしこく」なることは2番目の「やさしく」なることにつながっているんですね。
 今月は9月,これから秋が本番となり,いろいろなものが実っていく季節になります。たくさん学習したり,本を読んだり,いろいろな経験をして,重くなった頭が下がるように優しく思いやりのある人に成長できるといいね。そして,その優しさを挨拶としてたくさんの人に届けられるような皆さんになりましょうね。ちょうど,今月のめあては「自分から進んであいさつしよう」です。

平成26年度 第2学期始業式の話

        平成26年度 第2学期始業式の話   
                            大枝小学校長 安生昌弘 

 昨日で長い37日間の夏休みが終わり,今日は2学期が始まる日です。夏休みに4つのチャンスを生かすように話しましたが,どうでしたか。『たしかめ学習』『ちょうせん学習』『までいな仕事』『ちいきの行事』の四つのチャンスでした。「た」「ち」「ま」「ち」過ぎた夏休みには,ならなかったでしょうね。夏休みで付けた力を生かして自分をぐんと伸ばすのが2学期ですから,がんばっていきましょう。
 ところで,今日登校する時,みんなが田植えした田んぼの稲を見ましたか。登下校する時に大体の人が自分たちの育てている稲の様子を見ることのできる学校ってなかなか無いのですよ。夏休みの間にずいぶんと大きく成長しましたよね。これから秋に向かって稲は上の方にお米を実らせていきます。楽しみですね。でも,不思議じゃありませんか。あんな汚い泥の中に生えていて泥の中の栄養を吸い上げているのに,真っ白な輝くようなおいしいお米が出来るのですよ。
 私は不思議でたまりませんでした。でも,夏休み中にあの田んぼの稲を見ているうちに思い付きました。それは人間の努力というがんばりとその人が力を伸ばした輝く姿との関係です。がんばっている姿は,人から見ているとかっこ悪く,汚い泥のように見えるかも知れません。でも,そのかっこ悪い姿の中で努力して力を伸ばすから,光り輝くような自分になれるのではないかということです。稲の姿とこれから実るお米から,努力とがんばることの大切さを教えられたように感じました。
 今日は2学期の始業式です。1学期の始業式にみんなは自分のめあてを立てたはずです。でも,それが自分にとって良いめあてとなった人ばかりではないと思います。いつの間にか忘れてしまった人もいるかも知れません。そこで,自分の学校生活のめあてを確かめたり,見直したりして下さい。その時,2学期の終わりにどんな自分になっていることが素敵なのかを考えて,めあてを立てることが大事です。力いっぱいに根から栄養や水を吸い上げて米を実らせていく稲に負けないよう,光り輝く「かしこく」「やさしく」「たくまし(く)い」子どもになるため,今日からの2学期81日間をがんばり通す,2学期のめあてというパワーを14名全員が持って欲しいと思います。      ( 2014.8.25 )

平成26年 第1学期終業式の話

         平成26年度 1学期終業式の話

                            大枝小学校長 安生昌弘 

 今日は1学期の終業式,1学期が終わる,締めくくりの日ですね。1学期は何日,学校の日があったのでしょうか。実は71日間なのです。毎日の45分間の授業に加えて,たくさんの学校行事や体験活動をしてきましたね。入学式と始業式から始まって,1年生を迎える会,交通教室,避難訓練,運動会,防犯教室,宿泊学習や七夕集会などもありましたね。振り返って考えると,71日間の積み重ねってすごいことだと思いませんか。1学期の始業式に自分にあったちょうど良いめあてや目標を立てましょうという話をしました。どれくらいやり遂げることが出来ましたか。思い出と共に振り返ってみましょう。
 さて,明日から37日間の長い夏休みが始まります。楽しみだね。考えてみると,土曜日や日曜日も入れるけれど,71日間の1学期の半分以上の日数が夏休みの期間なのです。やる気のある人が何かを積み重ねると,夏休みには,きっとすごいことができるような気がしますね。そうです。夏休みは,みんなにとって『チャンス』なのです。でも「夏休みは長いぞ」と思ってのんびりしていると,始まったと思ったら「たちまち」(すぐに)終わってしまうものなのです。
 夏休みのチャンスは,まず第一に学校の授業はお休みですから,新しい学習が進められるということはありません。よく身に付いていない学習をやり直したり,1学期に学習したことを確かめたりすれば,2学期の学習をすらすら出来るようになります。つまり『確かめ学習』ができるのです。
 第二には,長い夏休みにしかできない学習に取り組むことが出来ます。長い時間をかけて生き物とか草花をじっくり観察することや理科の自由研究に挑戦すること,普段書くよりも長い作文に取り組むこと,いつもより厚い本を読むことや読書感想文に挑戦することなどです。つまり『挑戦学習』ができるのです。
 第三には,家族のためになる家庭の仕事を,学校がある日よりも多くすることができます。そうすると,家族に喜んでもらうことができ,家庭を幸せにする役割を果たすことができます。丁寧な仕事をすることが大切です。「丁寧な」ということを梁川の方言で「までいな」と言います。つまり『までいな仕事』ができるのです。
 最後に,地域の行事に思い切って出ることができます。盆踊りや夏祭りなどのことです。東大枝や梁川町,伊達市のことをよく知ることができるのです。つまり『地域の行事』に参加できるのです。どうですか? 夏休みには4つの『チャンス』があるでしょう。
 さあ,明日からの夏休み,チャンスを生かすかどうかは,自分次第です。『たしかめ学習』『ちょうせん学習』『までいな仕事』『ちいきの行事』を頑張るチャンスなのです。たちまち夏休みが終わってしまったにならないように「た」「ち」「ま」「ち」の四つのチャンスを生かした夏休みにしましょう。大枝小の夏休みの合言葉を『「た」「ち」「ま」「ち」やるぞ,夏休み』にしましょう。

校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」4

    夏休みは子どものチャンスだ 〜 理科自由研究のススメ 〜
                                 大枝小学校長 安生昌弘

 
 夏休みが近づいてきました。楽しみだね。1年生には小学校初めての夏休みで,4月の入学から4か月頑張ったご褒美のような感じですね。6年生には小学校最後の夏休みなので思い出をいっぱい作ってほしいと思います。私は,夏休みが近づいてくると決まって理科の自由研究を思い出します。小学生の理科自由研究についてこんな話を聞いたことがあります。 
 今から30年ほど前のことです。ある小学4年生の男の子がお風呂掃除をしていた時にお風呂の栓を抜きました。すると水が抜けていく途中に渦巻きが出来るのに気づきました。上から見て時計と反対回りに渦巻いていました。その子は「渦巻きはいつも同じ方向に回転するのかな?」と思い調べてみました。すると,その当時の小学生用の百科事典には,このように書いてありました。『渦巻きは地球の自転の方向と同じように渦を巻く。北半球では時計と反対回りに,南半球では時計回りに渦は出来る。』と……。男の子は,これを夏休みの理科自由研究で確かめることにしました。
 夏休みが始まるとすぐにプラスチックの水槽を用意し,底のいろいろな場所に穴を開けて何日もかけて繰り返し実験しました。夏休みでないと出来ない実験です。そして,とうとう百科事典に書かれていることが少し違うと突き止めました。水槽の底のどこに穴が開いているかや水の量の多いのか少ないのかによって日本のある北半球でも時計回りに水が渦巻くことを見つけたのです。その当時の新聞にも載る大発見でした。
 今では渦巻きの回転方向については『台風やハリケーンなどの規模の大きい渦は地球の自転の影響を受け,北半球では時計と反対回り,南半球では時計回りに渦を巻く。規模の小さい渦については地球の自転の影響を受けない。』というのが世界の科学の常識となりました。一人の日本の小学生の自由研究が世界の科学の常識を変えたと言っても良いのかも知れません。
 当たり前だと言われていることや不思議だと思ったことを実際にやって確かめてみる事が出来る学習。それが夏休みの理科自由研究なのです。自分で考えて自分で研究を進めていくので,どんどんかしこくなることが出来ます。おまけにステキな発見が付いてくることもあります。自由研究が夏休みの一番の思い出になることもあります。先生方やお家の方と相談したり,科学に関する本を読んだりして,今のうちに計画を立ててください。この近くの小学生でもその年の4月に自由研究をスタートした人や2年間や3年間にわたって同じテーマの自由研究を続けた人もいます。ぜひ,今年の夏休みもみんなが小さな科学者になるチャンスを生かすため,自由研究に取り組んでほしいと思っています。(2014.7.2)

ゆうちょ銀行よりサッカーボールをいただきました

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7月4日(金)ワールドカップもベスト4が決まり、いよいよ終盤を迎えています。
さて、本日大枝郵便局長さんが来校され、ゆうちょ銀行からのサッカーボールを寄贈していただきました。ワールドカップ公式球のレプリカです。ありがとうございました。

校長室だより…朝の会のお話『かしこく やさしく たくましく』3

  『5千人へのあいさつ運動』 〜 大枝小あいさつ月間 〜
                            大枝小学校長 安生昌弘 
 
 大枝小学校“5つの約束”の1番目「あいさつ」(あいさつをきちんとしよう)についてお話をします。私は「あいさつ」と聞くと,ある学校の1年生A君の事を思い出します。
 ある小学校で私が2年生の担任をしていた時のことです。ある6月の朝,まだ小学生が誰も登校していない早い時間に,私は2年生の教室に向かって歩いていました。すると黄色い帽子をかぶった一人の1年生の男の子が,2年生教室の向こうの1年生教室に入っていくところでした。登校1番乗りです。遠くにいる私には気づいていないようでした。すると,その子は元気の良いかわいい声で「おはようございます」とあいさつしながら1年教室に入っていきました。「1年生の担任の先生が教室にいらっしゃるんだな」と思いました。私は1年生の担任の先生に話があったので、2年生教室を通り過ぎてさっき男の子が入っていった1年生教室へ行ってみました。すると、どうでしょう。その男の子がいるだけで、後は先生も誰もいません。「A君、おはよう。今,あいさつして教室に入って行ったよね。誰にあいさつしたの?」と聞いてみました。するとA君は「『教室に』かなあ。」と言うのです。「毎朝,あいさつするの?」「うん,毎朝だよ。」「偉いねえ。」「ありがとうございます。」誰もいない教室で二人で話をしました。
 私は素晴らしいなあと思いました。A君は毎朝,誰かにではなく教室にあいさつしているのです。教室を大事に思っている気持ちが伝わってきました。もしかすると,先生か友達か誰かが教室にいても良いようにとあいさつしているのかも知れません。みんなを大切に思っている気持ちも伝わってきます。あいさつは「相手よりも先にする」「あいさつを返してもらうことを期待しない」この二つが大事なんだなあと1年生のA君に教えてもらったような気がしました。
 そこでみんなに提案があります。この6月を「大枝小あいさつ月間」にしませんか。校内でのあいさつはとても良くなっていますので、校外でそれぞれが毎日子どもでも大人でも14人以上の人とあいさつをするのです。全校生と同じ数の14人です。1日に14人全員が14人にあいさつすると14×14=196人にあいさつしたことになります。約200人ですね。学校のある日や土曜・日曜の出かける日が,次の講話朝の会の7月4日まで25日位と考えると200×25=5000人にあいさつすることになりますから,大枝小『五千人へのあいさつ運動』と呼びたいと思います。「相手よりも先にする」「お返しを期待しない」です。1か月取り組むと14人が力を合わせて「5千人へのあいさつ」達成です。今日の帰りから是非取り組んでほしいと思います。 (2014.6.6)

校長室だより・・・朝の会のお話「かしこく やさしく うつくしく」2

 〜 運動会でやさしさも育てよう 〜       
                            大枝小学校長 安生昌弘

 運動会が3週間後に近づいてきました。楽しみだなと思う人や運動が苦手な人などはちょっといやだなと思うかも知れませんね。でも,どうして大枝小学校では運動会をするのでしょうね。
 運動会は小学校では明治時代と言って,100年以上前から行われ続けています。私たちの大枝小学校は今年度で142年目になる歴史ある学校ですが,明治24年といいますから120年以上前に初めての運動会が当時の学校である徳本寺で行われたそうです。おそらく,それ以来ずっと行われてきた学校行事なのです。このことは,運動会がどれだけみんなにとって大切なものであるかを示しています。どうして運動会をそんなに長く続けて来たのでしょうか。もう勘のいい人は気づいていますね。そうです,私たち大枝小学校の目標「かしこく,やさしく,たくましく」の「たくましく」に関係ありそうですね。でも「やさしく」にも関係しているのかも知れませんよ。
 先月の日曜日に私の従兄の息子さんS君が結婚式を挙げました。とても綺麗なお嫁さんと一緒に生きていくことにしたのです。とても心温まる結婚披露宴(お祝いのパーティー)が行われ,私もお呼ばれして参加していました。その披露宴の最後にお婿さんS君のお父さんである,私の従兄がみんなを代表してあいさつを話し始めました。その中にこんな話がありました。

「息子のSは小学校の時からずっと大きくなるまで賞状をもらうような「賞」という物を何ももらったことがない子どもでした。小学校の運動会でもそうで,足が遅くて3等賞までに一度も入ったことがありませんでした。でも一度だけ大チャンスがあったのです。5年生の運動会のことでした。その時はチャンスレースが障害物競走で,跳び箱を越えたり,大きなネットをくぐったり,平均台を渡ったりする種目でした。息子のSの順番がやってきました。スタートすると,やっぱり一番最後を走って行きます。ところが,前を走っていた多くの子どもがネットをくぐる時に引っかかってしまい,引っかかった子によって出来たネットの隙間をSがスッと抜けて,あっという間に2位になりました。後は前を行く1位の子だけです。生まれて初めての賞かも知れない。私たち家族は大声で応援しました。1位の子が最後の平均台(一本橋)を渡り始めました。ところが渡り終えるところで何と転んでしまったのです。すぐには起きられないようでした。もう一本の平均台を渡り終えたSが1位になりました。もうあと少し走ればゴールです。家族が『やったぞ。生まれて初めての1等賞だ』と思った瞬間,Sは何を思ったか,くるっと後ろを向くと転んだ子の所へ戻り,起こしてあげているではありませんか。その間にみんなゴールしたので,結局転んだ子と二人で一番最後に仲良くゴールしました。息子のSは賞を獲れませんでしたが,私たち家族は1等賞目前で友達の所へ戻った息子から1等賞をもらいました。優しい息子を誇りに思えたからです。今日の素敵なお嫁さんとの結婚式は,それ以来2回目の1等賞です。」
 
 この話を隣に立ったウェディングドレス姿のお嫁さんも涙を流しながら聞いていました。優しい人は優しい人と惹かれ合うんだなあと思いました。運動会は,その練習の中や当日の会の中で,体を鍛えるばかりでなく,自分から進んで「かしこく」考えて行動したり,「やさしく」友達と協力しながらいろいろ成し遂げたりするのにぴったりの行事です。6年生は最後の,1年生は初めての運動会で「かしこく」「やさしく」「たくましく」なることを目指して頑張りましょう。   (2014.5.2)

校長室だより…朝の会のお話「かしこく やさしく たくましく」1

      読書のススメ 〜 読書は頭と心の栄養 〜     
                          大枝小校長 安生昌弘
 月曜日の始業式の時に「かしこく」「やさしく」「たくましく」を意識してめあてを立てましょうというお話をしました。もうめあてを立てたでしょうか。今日は「かしこく」もなれるし,「やさしく」もなれる,とっておきの事を教えたいと思います。
 大枝小学校では,今年度,朝読みと昼読みという10分間読書の時間を作りました。みんなに短い時間を見つけて読書する習慣を付けて欲しいという願いからです。では,なぜ本を読むことは良い事なのでしょうね。みんなは面白いから本を読むのでしょうが,実は本を読むと,自分でも気づかないうちに素晴らしいことがたくさんあるのです。
 私の友達のY君の話をします。Y君はこの東大枝地区とよく似た山あいの小さな村に生まれました。小学校も3年前までの大枝小学校と同じように1学年1クラスの小さな学校でした。その学校の図書室も大枝小学校と同じ位の広さですが,本はもう少し少なかったそうです。大枝小の図書は,学校中で約5700冊ありますから、図書室に4000冊位でしょう。ですから,Y君の学校の図書室には少なくとも3000冊位あったのでしょうね。
 Y君が4年生になった4月,お母さんから「とにかく本を読めよ」と言われていたことを思い出し,自分だけのこんなめあてを立てたそうです。「卒業までに図書室の本を全部読もう」と。そして,図書室で本を読んだり,借りていって家で読んだりしてとうとう卒業までの3年間に全部読んでしまったそうです。3年間で3000冊,1年間では1000冊読んだことになりますから,毎日毎日3冊位読み続けたことになりますね。私は驚きました。すごいなあと感心しました。
 Y君は,その後,遠くの町の有名な高等学校に進み,大学を卒業して先生になりました。今は,ある学校の教頭先生になっています。Y先生は言っていました。「本をたくさん読むようになってから勉強も分かるようになったんだよ」と。確かにY先生はとても物知りで話をしていると,とてもためになる話が多いです。でもそれよりも私が感じるのは,Y先生の優しさや思いやりのある人柄です。それに惹かれて多くの友達や仲間がいます。本には登場人物の心も出てきますから,きっと本を読むことで優しさや思いやりも学んだんじゃないのかなと思います。つまり,本を読むことは勉強が分かることにも,思いやりのある人になることにもつながっていくんだと思います。
 読書は「かしこく」もなれる,「やさしく」もなれる,頭と心の栄養みたいなものなのです。みんなも学校での読みかけの本「マイブック」を常に近くに置き,朝読みと昼読みをしましょう。そして本をたくさん借りて家用の本を置き,家庭で夕読みをしましょう。音読をすることも夕読みの1つです。テレビやゲームは,みんなの頭や心の栄養を吸い取ってしまいます。特に夕読みを頑張ってほしいと思っています。
(2014.4.11)

平成26年度 1学期始業式の話

      1学期始業式の話 〜小さな学校,大きな自信〜

                            大枝小学校長 安生昌弘 

 今年の大枝小の先生方は一人も学校を替わられることなく,同じ先生方です。金田先生も少し遅れますが,4月中にまた来られるようになるかも知れません。こういう事は実は珍しいことなのですよ。でも,先生と児童のみんなが,お互いによく分かっているということは4月からバリバリ頑張れるということなので良い事なのです。これからが楽しみだね。
 ところで,今年の大枝小は,1年生が1人入学して,全校生14人です。伊達市の中で一番少ない人数です。そして,大枝小が出来た明治6年からの141年前からの歴史の中でおそらく1番少ない全校生の数です。そこで先生方で話し合って「一番小さい学校だから逆に一番いい学校にしよう」と決めました。そこで,がんばりの合言葉を作りました。それを発表するね。それは「小さな学校,大きな自信」です。小さな学校だから一人一人が頑張る場面が大きな学校より多くなります。たくさん頑張って,「これだけ頑張ったんだからできるはず」「これだけ努力したんだから大丈夫」という自信を持って欲しいということです。先生方は,小さな学校であることを自慢できるようにしたいなあと思っています。みんなも「小さな学校だから自信がついたぞ」と思えるように粘り強く頑張っていきましょうね。
 さて,2年生から6年生の13名のみんな,頑張るためには,これからの1年間や1学期の目標を立てる事が大切です。目標は簡単すぎても難しすぎてもいけませんから,目標を立てる時は,担任の先生と相談しながら立ててください。それは,自分に合った目標を持てた人が,すばらしい自分に近づくことができるからです。つらいことがあってもがんばることもできます。その時に大枝小学校のすてきな教育目標「かしこく」「やさしく」「たくましく」を心に置いて自分の目標を立ててください。「かしこく」は,勉強ができるということだけではないかもしれません。「やさしく」は親切ということだけではないかもしれません。「たくましく」は運動ができるということだけではないかもしれません。
 いよいよ26年度,新しい大枝小の1年間の始まりです。全校生14名と先生方8名,22名で力を合わせて頑張っていきましょう。
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