最新更新日:2017/03/31
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朝の会の話 〜 かしこく やさしく たくましく 3 〜

         〜 水と友達になろう 〜
                         伊達市立大枝小学校長 安生昌弘

 今年も暑くなってきましたね。暑くなると学校では,体育の授業で1・2年生は水と友達になる学習,3年生から6年生は水泳の学習を行います。大枝小には古いですが大きなプールがあります。昭和38年に完成したそうです。年齢をつけるとすると52歳です。頑張っているプールなんですね。なんと今のお金に直すと1500万円もかけて造ったそうです。プールをいっぱいにする水道料金は30万円もかかるのですよ。そんなにお金をかけてまでプールでの体育の授業をするのはなぜでしょうね。それは,それだけ水泳の授業が素晴らしいものだということなのです。
 まず,水泳のよさの1つ目は,健康にとても役立つということです。水の中に入ると急な素早い動きができなくなりますね。まるで体中を押さえられているようです。だから,泳ごうとすると体中の筋肉が一生懸命動こうとして,校庭の上で動く時にはあまり使わない筋肉まで鍛えることになります。さらに,水の中では自由に息をすることができません。苦しいです。これが皆の心臓や肺という内臓を鍛えることになります。運動として健康に2倍役立つ素晴らしい学習なんですね。
 次に,水泳のよさの2つ目は,命を守ることに役立つということです。全く泳げない人と少しでも泳げる人とでは,間違って川や池,海に落ちてしまった時に生きるか死ぬかに分かれることがあります。水に落ちてしまった時,泳げない人はどうして良いか分からずに溺れてしまうのです。私は,中学生の時に,学校から自転車に乗って帰る時,川の堤防の道で友達に悪ふざけで押されて自転車ごと水の中に落ちてしまったことがあります。酷いでしょ。死んでしまうかもとその時は思いましたが,少しは泳げたので,どうしてよいか分からなくなるということには,なりませんでした。落ちた瞬間はびっくりしましたが,落ち着いて川岸に泳いでたどり着きました。自分の命を守ることになりました。船の事故で全く足のつかない海に落ちてしまっても何分間か自分の力で浮いていることができると,助けられたり,つかまることの出来るような浮かんでいるものが近づいてきたりするそうです。何キロメートルも泳げなくても助かることがあるのです。水泳は自分の命を守ることになる素晴らしい学習なんですね。
 ある学校の1年生に信吾君という男の子がいました。怖くて顔を水の中に入れられなかったので,水泳の授業が嫌いでした。体が細くてプールに入ると「寒い寒い」とぶるぶる震えながら立っているだけでした。水が怖いのもあって震えていたのかも知れません。先生方は気休めにペットボトルに入れたお湯を信吾君の周り水の中に注ぎながら,「これで大丈夫だよ」と励まして水と友達になれるよう,プールに潜れるよう応援しました。だんだん顔を水の中に入れられるようになり,水が怖くなくなりました。水泳も好きになっていきました。そして,とうとう6年生の時には,梁川町の8つの小学校が全部集まった大会で50メートル平泳ぎで優勝し,金メダルをもらうまでになりました。水と友達になると素晴らしいことがあるのですね。
 水と友達になるとは,プールの水が怖くなくなることです。顔を水の中に入れたり,水の中で目を開けられるようになることです。これは家で洗面器でも練習できることです。早く水と友達になって,短い間しかできない水泳の学習をなるべくたくさんやって下さい。自分の体や水を怖がる心を「たくましく」できるプール学習にして欲しいと思っています。 ( 2015.6.5 )

朝の会の話 〜 かしこく やさしく たくましく 2 〜

         〜 運動会で大切なことは何だろう 〜
                        伊達市立大枝小学校長 安生 昌弘

 運動会が3週間後に近づいてきました。楽しみだなと思う人や運動が苦手な人などはちょっといやだなと思うかも知れませんね。でも,どうして大枝小学校では運動会をするのでしょうね。
 運動会は小学校では明治時代と言って,100年以上前から行われ続けています。私たちの大枝小学校は今年度で143年目になる歴史ある学校ですが,明治24年といいますから120年以上前に初めての運動会が当時の学校である徳本寺の近くで行われたそうです。おそらく,それ以来ずっと行われてきた学校行事なのです。このことは,運動会がどれだけみんなにとって大切なものであるかを示しています。どうして運動会をそんなに長く続けて来たのでしょうか。もう勘のいい人は気づいていますね。そうです,運動会では毎年,必ず「運動会っていいなあ」と思うことが全員に何かしらあるからなんです。運動会にまつわる,ある女の子の話をします。
 3年生のノリコさんは,運動が苦手な女の子でした。1年生の時も2年生の時も駆けっこ(50メートル走)ではビリでした。だから,運動会は嫌いだったし,家の人に見に来られるのも嫌でした。運動会まで1か月もあるのに教室で悲しそうな顔でため息をついていました。それに気づいた仲良しのミホさんが声をかけました。
「どうしたの,ノリコちゃん。ため息なんてついて。」
「うん,運動会が嫌なんだ。きっと今年もビリだから……。」
「じゃあ,私と学校が休みの日に走るのを練習しようよ。」
ノリコさんは,クラスで1番足の速いミホさんと学校が休みの日の校庭で毎週練習することにしました。
 ミホさんは速く走るコツをノリコさんに教え,ノリコさんも苦手な駆けっこの練習に頑張りました。運動会の前の週までには何となく早く走れるような感じがするまでになりました。そこで,運動会の前の日,ノリコさんは初めてお母さんに言いました。
「お母さん,運動会に絶対来てね。私がんばるから。」
 運動会当日がやって来ました。開会式から始まりプログラム5番目の3年生50メートル走になりました。ノリコさんの「速く走るぞ」という真剣な気持ちは誰が見ていても分かるような様子でした。去年までの何となく運動会が嫌そうな様子とは全く違っていたからです。お母さんも期待しました。「ようい。ドン」でノリコさんはすごい勢いでスタートしました。でも,最初のカーブで勢いがつきすぎて転んでしまいました。みんなはどんどん先に行ってしまいます。ノリコさんは膝もすりむいているようでした。お母さんはこう思いました。
「ああ,ノリコは泣くだろうな。最後まで走れないかも知れないな。」
ところが,違いました。ノリコさんは真剣な顔のまま,すぐ立ち上がるとゴールへ向かって走りました。精一杯走りましたが,今年もノリコさんはビリでした。
 お昼の時間,ノリコさんは,がっかりして家族の所へ向かいました。お母さんに駆けっこで良いところを見せられなかったからです。「お母さん,がっかりしているだろうな。」と思っていました。というのも,50メートル走の後,お母さんが泣いているのが見えたからです。
「お母さん,泣かせてごめんなさい。」
「謝らなくていいのよ。がんばったじゃない。泣かずに。それに,ノリコの名前は,つらい事をノリコえて生きてゆける子になって欲しいとつけた名前なの。転んでつらいことをちゃんとノリコえたでしょ。だからお母さんはうれしくて涙が出ちゃったのよ。」
ノリコさんのお母さんはうれしそうに言いました。ミホさんもノリコさんのことを偉いなあと思っていたそうです。3人とも運動会が「良かったなあ」と思ったそうです。
 運動会は,その練習の中や当日の会の中で,「たくましく」体や心を鍛えるばかりでなく,自分から進んで「かしこく」考えて行動したり,「やさしく」友達と協力しながらいろいろ成し遂げたりするのにぴったりの行事です。6年生は最後の,1年生は初めての運動会で「かしこく」「やさしく」「たくましく」なることを目指して頑張りましょう。そして運動が苦手でも,運動会でうまくいかなくても「運動会っていいなあ」と思えるようにしましょうね。運動会当日だけでなく練習でも頑張っていると「運動会っていいなあ」と思えるよというお話でした。 (2015.5.1)
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学校行事
3/31 離任式 学年末休業日
4/1 学年始休業日
4/2 学年始休業日  PTA歓送迎会(東大枝交流館)
4/3 学年始休業日
4/4 学年始休業日 1年教室式場準備
4/6 着任式・第1学期始業式・入学式 新入学児童・園児の交通事故防止運動(〜12日)
伊達市立大枝小学校
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