最新更新日:2024/03/28
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子育てにおける最優先課題!

 コロナ禍における生活も約2年になろうとしています。このコロナ禍に置かれた子どもたちはまさに逆境の中にあり、本当に辛い思いをしています。一方、私が機会あるごとに、校長先生方にお願いしていることは、「コロナを言い訳にしない教育の推進と児童生徒の育成」です。それは、「思う通りにいかなかったことや不満を、安易にコロナのせいで済ませてしまう」ということに対する子どもたちの心の育ちに危機感を抱いているからです。
 子どもたちの辛い心情をしっかりと受け止めた上で、運動会は何のために行うのかなどの目指す活動の教育的価値のとらえなおしをする。さらに、子どもたちに問いかける言葉一つに工夫をするなどの取組をとおして、子どもたちの現状の受け止め方や活動状況は能動的なものに変わることを実感しました。ぜひ子どもたちには、今の経験を将来のたくましい成長につなげてほしいと思っています。
 さて、このコロナ禍、私は、子どもたちが将来置かれるであろう社会状況を踏まえ、そこで求められる人間像を目指して、改めて子育てについて問い質す必要があると思っています。
 親が考えている「子育て」については、多分に子どもの成長に関わることが大きなウェイトを占めているように感じます。「〇〇大学に合格した」とか「◇◇会社に勤めている」等がその例です。これが「子どもの幸せ」なのかどうかは、親や子どもの考え方次第だと思います。また、様々な出来事の中で我が子を自慢しようが、情けなくて世間に顔向けできないと思おうが、年月が経てばやがて人の記憶からも消えていきます。普通であれば、我が子の生き方を最後まで見守ることができる親は、ほとんどいないと思います。ですので、子育ての最優先課題は、次の2つではないでしょうか。
○ 親がいなくなった後でも、自分の力で生きていけるような自立した
 生活の基礎を身に付けること。
○ 世の中の多くの人たちと共に生きていくための、必要なルールを
 守ることを身に付けること。
これらは先に生まれた者(親)の責任ですし、使命でもあります。親の人生もまた親だけのものですから、親が安心して自分の人生を過ごしていくための、最高の「子育て」と言ってよいと思います。
 毎日の現実に目を向ければ、親は目の前の子どもの宿題や提出物、遅刻等々の心配に、つい大きな声を出してしまうこともあるはずです。しかし、それはそれでよいと思います。誰もがやらなければならないことをきちんとできるようにしてやるのも親の大切な責任の一つであるからです。ぜひ楽な方を選ぶような道へだけは導かない、妥協しない姿勢を持ち続けたいものです。人間は一度楽をしてしまうと、戻すのがどんなに大変かということを、私たち大人は経験上、誰しもが痛い目に遭って分かっているからです。
 ところで、子どもたちがこれから生きていく社会は不安定要素がますます多くなると予想されます。我が子はしっかりと生きていけるのか…。これからは、心身ともに頑丈でタフな生き方のできる子どもに育てていくことが求められるのではないでしょうか。そこでは、大人が持っている人生経験や知恵をもっともっと子どもたちに伝えていく必要があると思います。
 また、最近、悪いことをはっきりと叱ってくれる大人の存在は、子育ての現場から遠のきつつあるように感じられてなりません。さらに、自分の子どもさえよければ、よその子にはノータッチということも・・・。しかし、人間は人と人との触れ合いによってこそ安心感が生まれ、人を受容しようとする広い心が生まれるものです。それが、叱ってくれた人に素直に「ありがとう」と言えることにつながるのではないでしょうか。
 コロナ禍、本市の子どもたちのたくましい成長にますます思いを馳せるこの頃です。

(12月教育長の部屋)             教育長 菅野 善昌

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