皆さん、夢はありますか？
私は今、和太鼓奏者として日々過ごしています。よく知人などから、「夢を叶えたね。」「夢のある職業だね。」と言われることがあります。確かに、人に感動を与えられる夢のある職業だと思います。しかし、私は元々和太鼓奏者になろうとは思っていませんでした。むしろやりたくないなと思っていました。
私の父親は、地元の和太鼓チームを運営しています。その影響で私も小学低学年の頃から和太鼓をやっていました。そして、武小和太鼓クラブにも所属し、武豊町内で色々な場所で演奏活動をしていました。小学生の私にとっては、和太鼓クラブで町内を回れた事は、すごく刺激になり、チームワークや達成感を味わえることができました。
しかし中学生・高校生になると、和太鼓よりも、部活や“遊びたい”という気持ちの方が強くなり、和太鼓が重荷になってダラダラとやるようになりました。でも、近くに父親が居たこともあり、辞めることが出来ませんでした。その結果、次第に和太鼓が嫌いになってゆき、高校卒業と同時に辞めようと考えるようになりました。
ちょうどその頃に、プロの方から声が掛かりました。単純だった私は、気分が変わり軽い気持ちでこの業界に足を踏み入れました。プロの方々と過ごすうちに和太鼓に魅了され、全力でやりたくなりました。しかし、全力でやることで今までに経験したことのない壁にぶつかり、初めての挫折を味わいました。でも、周りの応援があったりして、諦めずに全力で取り組んだできたことで、今、和太鼓奏者をやれています。“全力を出す”ということを知ってから、ここまで来るのに5年掛かりました。たくさんの壁にぶつかり、何度も何度もオーディションに落ち、嫌な思いや恥ずかしい思いをしてきましたが、学生の時に辞めずそして壁にぶつかった時に続けるという選択をした事を本当に良かったと思っています。しかし夢を叶えたとは思っていません。夢の途中です。今の私の夢はソロライブをすることです。まだまだそこまでの力が足りません。今はその夢に向かって頑張っています。
”夢”とは、”叶える”ものではなく、”追いかける”ものだと私は思います。叶えることが大切なのではなく、夢までの道のりがどうであるか。大記録を持つメジャーリーガーのイチロー選手は”小さなことを重ねることがとんでもないところに行くただ一つの道だ。”と言っています。小さなことでも続けることが大切なのだと思います。
　最後になりますが、何か夢を持ってみてください。そして物事には全力で取り組んで欲しいです。何でもいいです。勉強や夢、部活、恋愛、そして遊ぶ事。全力でやると必ず壁にぶつかります。でも、そこで諦めずに続けてみてください。すると、とんでもないことが待っているかもしれません。

GONNA　竹内浩二


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