目の教室だより〜弱視教育教材(ペグさし)〜
こんにちは、足立小学校 目の教室です。
早いもので、もう10月が終わってしまいますね。 寒い日が増えてきますので、温かいものをたくさん食べて、体調管理に気をつけようと思います。 さて、今回は弱視通級指導学級で使用する教材「ペグさし」をご紹介します。 初めて聞く方も多いと思いますので、まずは写真1枚目をご覧ください。 教材はとてもシンプルで、長さ2cm程度のカラフルなプラスチック製のもの(ペグといいます)・ペグをさすための穴があいた板・見本が描かれた用紙の3点セットです。 ペグを板にさして形をつくっていくため、「ペグさし」といいます。 ペグさしは、見本をみて同じ色を探し、同じ位置となるように穴の数を確認しながら慎重にさしていきます。これは、弱視教育において大切な学習である「目と手の協応」の1つです。弱視児は「目で得た情報と適切な手の動きの協応」を苦手とすることが多いので、目と手の協応学習を積極的に取り入れています。指先を細かく動かす必要があるため、手先の巧緻性も高められます。 また、ペグが穴に刺さる感覚がサクッと心地よいため、比較的長時間集中して取り組むことができます。集中力を高める教材としても活用できるのではないかと期待しています。 実際に取り組む様子です(写真2枚目)。 この後、見本通りに完成させることができました。 次回の紹介をお楽しみに! 目の教室だより〜弱視って何だろう〜
こんにちは、足立小学校 目の教室です。
今朝は肌寒く、秋の深まりを改めて感じました。 季節の変わり目ですので、体調管理に気をつけたいものです。 さて、今回は、今まで触れていなかった「弱視」についてお話しします。 きっと、「弱視」という言葉から、近くや遠くが見えにくい状態を想像される方が多いでしょう。 目の教室だよりを読んでくださっている方は、単眼鏡やルーペを使って学習している様子が浮かぶかもしれませんね。 もちろん、弱視児の中には視力値の低い児童も含まれます。 しかし、「弱視」とは、私たちの想像よりもずっと広義に捉えることができるのです。 例えば…… ・視野が狭い(見える範囲が限られている) ・色の見え方が異なる(緑と赤が同じに見える、淡い色が識別できない) ・遠近感を捉えることが難しい ・眼球運動にぎこちなさがある このような要因から考えられる学習上・生活上の困難は、非常に多岐に渡ります。 ずっと悩んでいたことの原因が目にあった!というケースも考えられます。 最近では、読み書きに苦手のあるお子さんについてのご相談も増えてきました。 見え方は人それぞれです。私たちは、一人一人の困難さを理解して寄り添い、多くの目で支援方法を考えていくことが大切だと考えています。 児童の多様化を受けて、私たち弱視通級指導学級の担任も視覚障害教育の枠にとらわれない指導を意識しています。 子どもたちが、「学ぶことって楽しい!」「できることが増えて嬉しい!」と思えるようなサポートを継続しています。 些細なことでもお困りのことがありましたら、本教室までご連絡ください。 足立小学校 弱視通級指導学級 直通電話:03-3889-7673 (写真:目の教室) 目の教室だより〜視覚補助具(拡大読書器)〜
こんにちは、足立小学校 目の教室です。
昨日より、後期が始まりました。 後期の目標を達成できるよう、一日一日を大切に過ごしていきましょう。 さて、今回は視覚補助具のなかでも面白い!と人気の「拡大読書器」をご紹介します。 見えにくさのある児童は、細かいものを読み取る際に、たとえ読み取ることができても目に力が入りやすく疲れやすいです。 この拡大読書器を使うことで楽に文字を読み取ることができ、学習や読書をすることが楽になります(写真1枚目)。 また、文字だけでなく、生き物を観察してみても面白いですよ。 私は自分の手を観察してみました(写真2枚目)。 目の教室には2台の拡大読書器があります。 拡大読書器では、なんと最大16倍まで拡大することができます。 しかし、倍率を高くすればよい、というわけではありません。 倍率を高くすればするほど視界が狭くなるので、その分物を動かしながら読むという手間が生じます。 自分にとって効率よく読める倍率を見つけることが必要です。 拡大読書器は、ただ大きくするだけでなく、白黒反転という機能もついています。 白い画面でまぶしさを感じる場合、黒地に白の文字を読み取ることができます。 一人一人の見え方に合わせた学習が可能になる、便利な道具と言えるでしょう。 見えやすくなることで、面白い発見がたくさんあります。 ぜひ、拡大読書器で新しい世界をのぞいてみてください(写真3枚目)。 目の教室だより〜弱視教育教材の紹介(ひも通し)〜
こんにちは、足立小学校 目の教室です。
なかなか太陽が見えず、すっきりしない日々が続いていますね。 本日は、前期の終業式があります。 目の教室の子どもたちも、多くの学びを経て一回り大きくなりました。 後期も、元気いっぱいのみなさんに会えることを楽しみにしています。 さて、今回は目と手の協応の練習に効果的な教材である「ひも通し」をご紹介します。 見えにくさのある児童にとって、手元を見ながらイメージ通りに作業する、ということが苦手なことがあります。 意図的に作業する場面を設定し、日常的に練習をしていくことが大切です。 必要な教材はこちらです(写真1枚目)。 真ん中をくりぬいた色々な形・大きさ・色の木材と、穴を通せる程度の太さのひもを用意します。色や形のバリエーションが豊富ですと、難易度が高まり、より楽しく取り組むことができます。 まずは、私が完成形の見本を提示します。その見本通りに、形や色の違いを意識しながらひもに通していきます(写真2枚目)。 (1)見ながら、触りながら、同じものを探すこと、(2)木材の穴にひもを通すこと、が目と手の協応のよい練習になります。 見本通りにできたら、次は自分の好きなようにひもに通していきます。 色鮮やかなものが出来ました(写真3枚目)。 完成したものは、写真にとって記録に残します。 別日に通級するお友達に作品を見せて、その通りにやってもらおうと思います。 上手くできるかな? なかなか会うことのできないお友達ですが、学習の中で仲間を意識することができるような工夫も取り入れています。 目の教室だより〜学び続けています〜
こんにちは、足立小学校 目の教室です。
昨日の給食は、大好きなフライドポテトでした。 恥ずかしながら、童心に返ってウキウキしながらいただきました。 おいもの余韻はそのままに、昨日は東京都弱視教育研究会の専門性向上研修に参加しました。 はじめに、都立盲学校の先生方より、高等部専攻科について詳しく教えて頂きました。 盲学校ごとの特色を知ることができ、子ども一人一人に合った進路を考えていく上で貴重な情報を得ることができました。 次に、筑波大学附属視覚特別支援学校の山田先生より、「視距離調節学習」について、実際の事例を用いてお話いただきました。 軽度弱視児(視力値がおよそ0.1〜0.3程度)は、視距離を短くすることで十分な情報収集が可能です。 一方で、極端な接近視に伴う眼球や姿勢への負担が心配でした。 しかし、一生懸命見ている児童に対して、「近すぎるから離れて見なさい」と指導することにはどうしても抵抗があります。 そこで、子ども自身が「こんなに近づけなくても見える!」と気付くことのできる、新たな学習方法について教えていただきました。 積極的に活用していきたいと思います。 研修後は、都内小・中学校の弱視通級指導学級や盲学校の先生方との情報交換を行いました。他校での実践を学びながら、今後も指導力の向上に励んでまいります。 (写真:昨日の会場校 東京都立文京盲学校前) 目の教室だより〜楽しく文字を読むために〜
こんにちは、足立小 目の教室です。
10月になり、涼しい風が心地よい季節となりました。 秋の食べ物はおいしく、ついつい食べ過ぎてしまいますね…。 食べた分、体を動かして、健康でありたいものです。 さて、今回は少し工夫すると読みが楽しくなる支援についてお話しします。 はじめに、お子さんにこのような様子はありませんか? ・視力検査の結果は両眼共にAやBなのに、文字が見えにくいと訴えることがある。 ・読書や音読をしていると、すぐに疲れてしまう。 ・文字を飛ばして読んだり、途中で読んでいる行が変わったりする。 大切なことは、人によって見え方は様々、ということです。 例えば… ・白い紙をまぶしく感じてしまう。 ・文字がふにゃふにゃしているように見える。 ・文字がたくさんあると、どこを見たらよいのかわからなくなる。 このような見え方をしているお子さんの場合、文字を読むことが大変負担の大きなものになります。 実際にどのように見えているのか、本人にしかわからないため、子どもの気持ちに寄り添って支援を進めることが難しいケースともいえるでしょう。 しかし、頑張っている状態を続けさせることは、読むこと・学習することが嫌になってしまう原因になりかねません。 そこで、今回は2つの道具をご紹介致します。 写真1枚目:カラーフィルター 写真2枚目:置き型ルーペ(2倍程度) カラーフィルターの良いところは、(1)紙特有の反射を抑えられる、(2)見る範囲を狭めることができる、の2点です。今回は緑のフィルターを使用していますが、カラーバリエーションが豊富ですので、お子さんが一番見やすいと感じる色・これなら読みたいと思える色を選択することができます。 置き型ルーペは、自分が読みたい部分を程よい大きさに拡大することができます。細かい文字を読むことに抵抗のあるお子さんにおすすめです。 また、どちらにもガイドとなるラインが入っているので、文字や行の読み飛ばしの見られるお子さんの支援に効果的といえます。 足立小学校 弱視通級指導学級(目の教室)では、お子さんの見え方についてのご相談を随時受け付けております。 何か気になることがありましたら、お気軽にご連絡ください。 足立小学校 弱視通級指導学級 直通電話:03-3889-7673 |
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