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4/13 思いやり

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 先日の教頭会で、最近読んだ「曽根綾子著 人間の分際」を引用して、次のような話をしました。

(引用)
 「駅をお下りになって一本道を突き当たりまでいらっしゃると、白い大きな家が見えますから、そこを右に曲がって頂くと、うちは右側の2軒目です。」
 とくに問題のない説明にも感じます。
 けれども、家を建てたくても建てられない人、かつて大きな白い家に住んでいたがそれを売るような運命にあってしまった人、小さなアパートで姑と顔をつきあわせて、いつもいらいらしている人には、やり切れない一言でしょう。
(引用終わり)

 いかがでしょうか。
 コミュニケーションは、相手の話を聞くことが第一歩です。けれども、その人の表情や思い、さらに、背景まで考えなければコミュニケーションを深めることはできないのではないでしょうか。
 一方的なコミュニケーションではなく、双方向でのコミュニケーション、相手の背景まで思いやったコミュニケーションに心がけて頂けたらと思います。

 このような話をしました。
 けれども、先ほど引用した話には続きがあります。

(引用)
「○○さんとこ、よかったわね。ご主人は部長におなりになるし、下の男のお子さん、今度、ABC幼稚園にお入りになれたんですって」
 人の不幸を喜ぶより、幸福を祝福し合う方が、どれだけ気持ちのいいことかしれない。しかし、夫が部長になれず、子どもがABC幼稚園を実は秘かに受けていて落ちた子の母がこれを聞いたら、殺してやりたいような思いになるかもしれません。事実、こういうことで起きる殺人が、多くはないにしても、時々世間にはあるものである。
 実に私たちは、人を傷つけないで生きることなどできない。(中略)私たちは、何をしても人を傷つけるということを承認し、それゆえに、なまなかなことでは自分も、子どもたちも、家族も傷つかないような強靱な精神を持つことの方が先決問題である。
(引用終わり)

 人の生まれ、育ちの背景はなかなか分からないものです。いろいろ気をつけていても、どこかで、その人が傷つくようなことを言っているのかもしれません。そういうことでいちいち傷つかない心のありようが大切かもしれませんね。
 
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