最新更新日:2024/05/28
本日:count up10
昨日:22
総数:39998
教育理念 『みんなで心通い合う学び舎づくり〜自立と共生をめざして〜』 学校教育目標 「高めあう学び」 「かわしあう挨拶」 「響きあう歌声」 「磨きあう清掃」

入学おめでとうございます3

画像1 画像1 画像2 画像2 画像3 画像3
入学式 学校長式辞 
 朝、常念岳の残雪の頂と青々とした空のコントラストが明るく美しく、その変化に安曇野の春を感じます。
この今日のよき日、令和五年度新入生七十四名の皆さんが入学の日を迎えました。新入生の皆さんご入学おめでとうございます。保護者の皆様、お子様のご入学おめでとうございます。心よりお喜びとお祝いを申し上げます。また、本日、本当に久しぶりにご来賓の代表の方にもご臨席いただきました。安曇野市長代理、市民生活部長 沖 雅彦様を始め、いつも地域の中で生徒を支えていただいていますこと、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
 さて、新入生の皆さん、皆さんには昨年度入学説明会で、中学校生活は、「生まれ変わり新たな自分をつくる所、つくり直す所」「今の気の合うような友だちとは違う人、まるで中味が違い異なるもの、偉大なもの、自分より遙かに優れているもの、長い歴史のあるものから学ぶ所」と話しました。それを踏まえ、中学校生活にあたり、今の二,三年生にもずっと大事にして欲しいと伝え続けていることを話したいと思います。それは「見えないもの見ようとする生徒になってほしい」ということです。光をあてずに、痩せて育てた一本の麦をイメージしてください。その麦の根っこを、細かい髭のような小さな根っこ「根毛」と言いますが、それらもすべてつなげると、どのくらいの長さになると思いますか。実験したところ、東はロシアの端から西のヨーロッパまで、ユーラシア大陸の長さくらいになるそうです。地中での自然の営みのすごさを感じます。私たちには、痩せた麦の穂しか見えません。しかし、見えない地中、自然界では多くの営みが行われています。また、勝手に水や肥料をあげすぎても腐ってしまいます。見えないもの=根の様子を上の部分から想像し、適切な水や肥料を考えていきます。そうやって根っこを耕すのだと思います。
 同じように、人の心の繊細な部分も見えません。それを掘ってみようとすることはできないですし、掘り返すのはよくないことも分かります。しかし、自分の視野で見えるもの、自分の考える人のとらえだけでなく、例えば自分以外の多くの人の姿やものを見たり、その人の見えない思いを考えたり、今まで見ていたものの意味を考え直したりすることで、自分の心の根も耕されていくのではないでしょうか。「見えないものを見ようとする心」「感じようとする心」をもつ生徒になってもらうことを期待します。そうすれば、不安に思っている勉強や仲間との関わり、トラブルに対する糸口が見えてくると思います。伝統ある七十七年目の本校の一員として、本校の学校教育目標「高めあう学び」「かわしあう挨拶」「響きあう歌声」「磨きあう清掃」を達成できる生徒へと成長していけるよう、ともに頑張りましょう。
 今日は、入学式と同時に、始業式も兼ねていますので、二、三年生も含めて伝えたいことを話します。「わざ」という言葉についてです。漢字にすると技術家庭科の「技」や卒業の「業」を思い浮かべるかも知れません。もう一つあります。態度の態(能力の能の下に心)の文字も「わざ」と読みます。この態度の態と書く「わざ」は、幸田露伴という作家が使っています。次のような解釈があるようです。手先の「わざ」である技術の技に対して、態度の態の「わざ」は、いろいろな人と関わり、謙虚に学ぶ身と心の構えのことを指すようです。どちらも大事ですが、みなさんはどちらを求めていましたか?私も態度の態にあるようなつながり、謙虚さを大事にした身と心の構えまで意識していたかと問われると、疑問符がつきます。
 しかし、堀金中の中には、こうしたつながり、謙虚さを大切にしている生徒が多くいることも知っています。一例をあげると、昨年度末、私が出張で車を走らせ、本校の学区に入ったときのこと、五カ所で交差点や横断歩道で横断しようとする生徒に出会いました。私は、横断の意志が生徒に見えたので、そのたびに止まりました。その五カ所とも、五人の生徒が全員横断後、深々と一番前にいた車の私に礼をしていました。目が合ったわけではないので、私ということを認識してはいなかったと思います。つまり、日常からそういった感謝、礼を通じたつながりを大事にしていると感じました。一カ所でなく、五カ所すべてであったので、なおさら心が温かくなりました。本校の生徒は地域の方と挨拶や会話をよくしてくれると地域の方に聞いてはいましたが、日常の謙虚さ、つながりを大事にしている姿にとても心が動きました。そのような生徒である皆さんですので、ぜひ、つながり合い、謙虚に学ぶ身と心の構えである、態度の態の「わざ」をもち、発展させる生徒であってほしいと思います。
 最後になりますが、ご列席いただきました保護者の皆様方、これから、皆様にとってかけがえのない大切なお子様をお預かりし、生徒一人一人に全職員で一丸となって指導に取り組んでまいります。時には不行き届きの面もあり、ご不満を感じられることもあるかと存じますが、担任、学年職員に相談いただき、生徒も大人もともに育ち合う堀金中になれたらよいと考えております。また、学校は公教育つまり、「みんなのため」にあるものです。保護者の皆様にも親の責任として、社会的道理・常識等の形成の部分でお願いしていくこともたくさんありますが、お互いの信頼関係の上に、生徒を支えていければ必ず道が開けると思っております。ご来賓、地域の皆様も含めまして「自立と共生」を掲げる本校の教育に対して温かいご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。これから始まる希望に満ちた中学校生活を、新入生とともにつくっていくことを大切にしていく決意をもって、式辞といたします。
堀金中学校長 堀金 猛

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
安曇野市立堀金中学校
〒399-8211
住所:長野県安曇野市堀金烏川2126-1
TEL:0263-72-2272
FAX:0263-72-6510