成功体験が子供を成長させる7リコーダー奏法の入門の指導です。 リコーダーを持たずに,「トゥ〜」の音を口から出すことを練習すると,息の吹き入れ方が分かります。 息のコントロールができるかできないかが,きれいな音が出るか出ないかになります。 「きれいな音を出しましょう」のための「トゥ〜と言ってみましょう」の指示が重要です。「トゥ〜」であって「フーー」ではありません。 鍵盤楽器と異なるのがここです。「トゥ〜」を集団で実施すると,できているいないがすぐに分かります。 「トゥ〜」体験が成功体験になります。 楽器演奏の成功体験は,特に児童生徒には意義深いものがあります。 成功体験が子供を成長させる6
英語学習で大切なものの1つがアイコンタクトです。
「アイコンタクトがより多くなる活動」をどう授業に取り入れるか,授業づくりで工夫を加えたいところです。 その工夫の1つが,相手にカードを示す時に,「目の近くでカードを示す」ことです。(写真参照) 「目とカードが近い」ことにより,「カードを見る動き」と「視線を合わせる動き」がスムーズになります。 このスムーズさが,コミュニケーションの深まりとなり,その深まりが成功体験になります。児童生徒の意欲は向上します。 一般に外国の方々は,握手の時に瞳を見つめますが,これはアイコンタクトがアイコミュニケーションであることの証拠です。 成功体験が子供を成長させる5
表現運動は,児童生徒が自分の動きを動画で確認できると効果的です。
「腰を落とす」(構え) 「動かない時は動かない,動く時は動く」(静と動) 「伸ばす腕は最も遠く,最も高く伸ばす」(左右の広がり,高低差) 「一点を凝視」(視線が宙を泳がないカッコよさ) 「キレキレのダンス」(音楽との相乗効果はキレがポイント!) 教えて,褒めて,動画で確認して納得させ,教えて,褒めて・・・ この一連の指導が,児童生徒の成功体験につながります。 成功体験が子供を成長させる4
「友達の顔」を描く時に「横顔を描く」という活動を取り入れた例です。
上の写真左のように,横顔は,鼻,唇,顎などの形を描く時に線の味が出ます。 正面であると,目,鼻,口の位置関係が難しく,生徒(児童)によっては,写真右状態で止まりがちです。 横顔の線を確認し,線はとにかくゆっくり描くことがコツです。 生徒自身が驚くほど輪郭の線に味が出て,「かけた!」と成功体験につながります。 写真左は,小6の児童作品です。 成功体験が子供を成長させる3
♪エーデルワイス(二部合唱)について,力のある先生の合唱指導を見ました。
歌のエンディング部分から練習が開始されました。 「♪輝けとわに」 が歌詞です。 ソプラノパートは♪ミーソソラシドードー(かーがやけ とわーにー) アルトパートは,♪ミーソソソファミーミー(かーがやけ とわーにー) コードは,C−G7−Cです。 「エンディング部に限定した二部の響き」を通して「響き合う美しさを体感する」が指導のねらいでした。 指導のねらいは見事に達成され,わずか数小節であるのに,児童はエーデルワイス全曲を歌い上げたような成功体験をしました。 成功体験を大切にして♪エーデルワイスの曲全体がみるみるうちに完成し,見ていて驚くばかりでした。 成功体験が子供を成長させる2紅白帽子のてっぺんに小さな紙風船を付けました。 前転をして,この紙風船がつぶれないようであれば「上手な前転ができた」ということになります。 この紙風船がつぶれてしまう時は,あたまのてっぺんがマットに付いてしまう回り方なので,前転の方向が定まらずきれいに回れません。 「あたまのてっぺんを付けない」という意識を持たせたいときに「紙風船がこわれないように」という助言が有効です。 きれいに回転に入ることができた児童が紙風船をそっとさわる時が,成功体験の時です。コツをつかんだ児童は何度も練習したがります。 成功体験が子供を成長させる1
5歳が海外旅行先で「自分一人で買い物にトライする」お話です。
実話です。 ここに出て来る「私」は筆者です。 私「お魚のハマチ。『ハマッチ』って言ってみて。」 子「ハマッチ!」 私「よし,値段をきくときの魔法の言葉がハマッチだよ。」 子の手に,10ドル札を手渡しました。 私「ハマッチが通じたらね,お店の人が,値段言うから,お札を渡すんだよ。」 子はうなずくものの,いささか不安げな顔。 さあ,子は店に入って行きました。 私は少し離れて見ていました。 子は,商品(5ドル75セントの人形)を持って,いよいよレジへ。 さあ「ハマッチ」の場面です。 子「ハマッチ」 店員の金色の髪のおねえさん。 笑顔で「※△●※◆〜」と子に優しく言いました。 子は私の方を振り向き,にこにこ顔+びっくり顔。 子は,自分の言葉がお店の人に通じたことがうれしくてうれしくて!状態です。 ※△●※◆〜が何であったのかは,この際,どうでも良いのです。 自分の発した「ハマッチ」に笑顔で応答してくれたお店のおねえさん。それが子の成功体験となりました。 子はその後,英語に興味を持ち,勉強を続けました。 成功体験は子供を成長させるものです。 自転車の危険な運転をしない道交法の一部改正により,自転車運転中の危険行為を繰り返すと,自転車運転者講習を受けることになります。 施行は,本日(6月1日)からです。 すでに県警等では,自転車登校の高校生等への,啓発と周知を図っています。 小中学生も「自転車は車両である」という意識を持って,ルールに基づいた運転を行い,危険行為がないようにしましょう。 また,関連するニュースを見たり,家族と話し合ったりしましょう。 観察して書く時の助言例3上のノートの良い点は, ◆ろうとは水でぬらすと良いこと ◆ろうとの脚(切り口の長いほう)をビーカーの壁に当てること に絞って書かせている点です。先生の「絞り込み」が成功しています。 「ここがPOINT」は生徒自ら書き加えたものです。 さらに「さりげなさすぎて気づかないプロの技は何か」と言うと「ろうと台」や「ビーカー内の液体」はあえて書かせていないことです。 すっきりした図になっているのはそのためです。 理科の実験の時「教科書の写真をよく見て」と言いがちなのですが「よく見てほしいところだけを図で書く」ようにさせた指導の好例です。 観察して書く時の助言例2
「一部分を拡大して書く」という例です。
中学校理科では,根の観察をします。 写真左のように「根の全体とその一部分の拡大」を書くスキルを教えておくと,生徒は科学的に細部を観察して書くことができます。 コツは「拡大部分は限定する」ということです。 「根毛に土の小さなつぶがたくさん付いていた」などを書き加えておくのも良いと思います。 観察して書く時の助言例1
アサガオの葉の観察を例にしてみます。
葉を観察して絵に書く時, 【中央(真ん中)から書き始めると良い】 ことを助言すると,子供は,見る所,見えるものがはっきりして来ます。 子供の絵はともすると上の真ん中のような葉の絵になりがちです。 これは「見て」書いたと言うより「葉ってこんな感じ」と書いたものです。 「観察して書く」は,要するに,くわしく書けるようにしたいのです。 ところが「くわしく」とか「よく見て」の助言では,よく見ないし,その結果,くわしくもなりません。 そこで「中央(真ん中)から書くとよく書けるよ」のような助言をすると,葉の中央にある葉脈に目が行き,それをたどり,周囲の形も見えて来ます。 夕焼けはどうして赤いの?太陽と光,色のお話の最後は「夕焼けの赤」です。 関東地方は,梅雨入りまでは少しあります。きょう(5月25日)は夕焼けが見られました。 「夕焼けはどうして赤いの?」 これまた子供が素朴に大人に尋ねて来ることです。 夕焼けも「色と大気の関係」で説明できます。 夕焼けが見られるのは,夕方です。 夕方は,太陽は低い位置にあります。 低い位置から,光が目に届くため,光は長く長く大気中を通過して来ます。 大気中通過の時に赤以外の色は屈折したり,大気の分子につかまって,目まで光が届きません。よって見えません。 しかし波長の長い「赤」は,大気を通り抜けて来るので,目まで届きます。 これが夕焼けです。 私たちが「夕焼け」と呼んでいるのは,科学的に言うと,夕方に太陽の光の中で目まで届く赤の光の拡散です。 もちろん天気の良い日に見られます。また「朝焼け」も太陽が低い位置にある点で赤が見えるしくみは同じです。 天気の良い日の空はどうして青いの?
虹の色のお話とともに「五月晴れ」のこの時期,青空の色のお話です。
子供の無邪気な質問に「お空はどうして青いの?」があります。 この質問は,答えられるようで答えるのが難しいものです。 科学的に説明するとこのようです。 太陽の光に含まれるいろいろな色。 その中でも青(青系)の光は,ほかよりも拡散しやすく,大気中の分子によくくっつきます。それが青の光の性質です。 ですので,青の光は,拡散してはくっつき,また拡散を繰り返すので,青の光が大気いっぱいに広がります。 天気の良い日,つまり,太陽の光が出ている日の空が青いのは,大気中に青の光が拡散しているからです。 市研究推進委員会がスタート
取手市教委指導課では,各教科等の指導内容や指導方法について研究するため,研究推進委員を委嘱しています。
きょう(5月21日)は,その推進に携わる教科等研究推進委員への委嘱を行い,研修をスタートしました。 今年度はICT教育,道徳教育,英語(小学校外国語活動)教育,特別支援教育に重点を置いて研究を進めて行きます。 虹のお話
今朝(5月21日),関東地方は明け方から雷雨。
朝は一部で虹が見られました。 虹のお話は,児童生徒にウケが良いお話の一つです。 虹って,どうやってできるのでしょう? 虹は,空気中に小さな水滴が無数にある時にできます。 雨上がりなどがその条件にぴったりです。 空気中に無数にある水滴に,太陽の光が当たります。 当たった光は,色ごとに屈折し,屈折率の差により,層をつくります。 (水滴をプリズムと考えると良い。) できた層をスペクトルと言います。 層の並びが,虹です。 虹の層の両端は「赤」と「紫」です。 赤と紫の間の色しか人間は見えないよ,ということを話すのも面白いです。 赤の外側は「赤外線」,紫の外側は「紫外線」で,人間には見えません。 虹は,つまり,太陽の光が,水滴によって屈折し,色ごとに分けられた層です。 ですので,虹は,ホースで水まきをする時にも水滴によってできるのです。 虹をわたってどこかへ行きたいものですね。 ♪Somewhere over the rainbow 〜 子供のスマホ使用でなくなるものは子供たちがスマホを1日に何時間もいじっていることによって「3つのものがなくなる」と指摘されています。 1 睡眠時間がなくなる 2 勉強時間がなくなる 3 人間とのふれあいがなくなる 1は,子供たちの健康にかかわること 2は,子供たちの学力にかかわること 3は,子供たちのコミュニケーション力にかかわること どれも大きな問題です。難しい課題です。 上の3はバーチャル(仮想)に身を置く時間が長いことから生じます。 さらには,契約するのは保護者であるものの,契約後,スマホを使い始めた我が子への指導は十分にできないという声も聞かれます。 (写真は,文科省リーフレット表紙) 判断力の有無が犯罪にまで写真資料は,文科省2014年版「ちょっと待って!スマホ時代の君たちへ」の一部です。バイト先でのいたずらの様子です。 最近,スマホを使った悪ふざけが増加しています。犯罪にもなっています。 ・つまようじを商品に刺す様子を動画サイトにアップしたもの ・バイト先で商品や施設を使い悪ふざけした写真をアップしたもの ・ドローンを不適切な場で飛ばしその様子を撮影しようとしたもの 等々。 これらはスマホがあれば出来てしまう行為です。 出来てしまうことでも,して良いことなのかどうか?の判断が重要で,その判断力が備わっているかどうかが問われます。 現代は「数々の少年事件の陰にスマホあり」という時代です。 契約者である保護者,情報モラル教育を行う学校とが連携することなどが大切です。 「よく見てみよう」の「よく」ってこの時に、実際に「よく」見るようにさせたい時には、 ◆アジサイAとアジサイBの違いを見つけよう。 と言う指示の方が「よく」比べながら見るようになります。 「よく見てみよう」だけよりも児童生徒の活動がいきいきとします。 スモールステップのステップは 4
デッサンが「うまくできた!」という成功体験はスモールステップに支えられています。
A教室でA講師は次のように展開しました。 1 「写真左」を「参考作品」として学習者に示した。 2 自分の手で形を作りよく見てみましょう、と指示した。 3 手はいろいろな表情をもっていますね、と解説した。 4 では、描いてみましょう、と指示した。 この活動指示では1つ1つのステップが高いために、学習者が「昇れない」という状況になりました。 2〜3〜4の間に、スモールステップがあると良いのではないでしょうか。 B教室でB講師は次のように展開しました。 1 「写真左」を「参考作品」として学習者に示した。 2 黒板に「参考作品の一部分である爪」を描いた。 学習者にも「爪だけ」描く練習をさせた。(写真中) 3 次に親指だけ描いて、その親指から出ている線を描きましょうと指示した。 4 写真右のようになったのを確認して、言う。 「手や指にはいろんな線があるのが分かります。その線を増やしましょう。」 B講師の教室では、スモールステップがあるために、学習者が一段一段昇って行くのが分かりました。 学習者は「デッサンの成功体験」を感じ、嬉しそうでした。 団体旅行のバスが到着すると、バスガイドさんが、小さなステップを手に持ってバスを降り、乗り降りするドアの入口の下に置くことがありますね。 あれがスモールステップの良さであり必要性です。 あの置かれたステップによって、高齢の方から小さな子供まで誰にとっても昇りやすくなります。 授業や講座でも、学習者が描きやすくなるスモールステップがあると良いのです。 スモールステップのステップは 3
児童生徒の答えの言い方、皆さんの授業では次のどれですか?
A学級 先生「湿地の保全に関する条約は?」 A児「ラムサール条約。」 B学級 先生「湿地の保全に関する条約は?」 B児「ラムサール条約です。」 C学級 先生「湿地の保全に関する条約は?」 C児「はい、ラムサール条約です。」 文字で示しましたが、教室で声を聞くとA、B、Cの違いは明白です。 4月〜5月は、児童生徒が学習の基本を身に付ける時期ですが、C学級の児童(生徒)のような答え方ができるよう指導すると良いと思います。 ◆ポイントは「はい」です。(⇒指導が行きわたってくると「はいっ」) 「はい」が児童(生徒)に身に付いた学級は「〜です。」「〜が分かりました。」「〜だからです。」へすぐに発展します。 ところが「はい」が身に付いていない学級はなかなか発展しません。 あえて言えば「はい」が無い学級ほど、先生が「そう、え〜と、はい、はいそうだね、ラムサール条約だね。」としゃべり過ぎの傾向にあります。 児童生徒の「はい」スタートは話形の発展へのスモールステップです。 「はい、6と8の最小公倍数は24です。」のような話形を身を付けている学級ほど、先生の話が端的で、先生がしゃべる時間が短いのです。 「はい」の有無は重要です。 (続く) |
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