「誤る」を研究2こう言うと、さっき「ん〜〜」とうなっていたAくんの顔が、パッと明るくなりました。(Aくんのプリントは写真のようになり底辺や高さが把握しやすくなった!) 底辺×高さ÷2 この公式は、底辺に対して高さはどれ?を正確につかむことが前提です。Aくんの「わからなさ」は「つかめなさ」にあったのです。 「わからなさ」に対応する働きかけを支援と言います。 「プリントを回転させてみよう。ゆっくりだよ。」の支援はAくんに効果ありでした。テストの時も用紙を回転させ確認していましたから。 さて、もちろん「プリントを回転・・・」ですべての子供の「わからなさ」に対応できるわけではありません。 子供の理解を助けるささやかな支援を見つけ、実践することが、授業者としての努力であり、喜びでもあります。 「教材研究の深さが授業を支える、授業を良いものにする」と、これは幾多の先輩教師が口にしたことですが、筆者もその通りであると思っています。 アイデアは試してみて初めて効果が分かり、改良が加わります。 「誤る」を研究1誤答の研究という変わった研究を、筆者は、若い時分にしておりました。しかもかなり熱心にしていました。 「誤答が書かれた答案」を見たり、「計算や作図の間違えたノート」を見たりしながら、この誤答の研究は大切だなぁと思いました。 教材研究とは「子供ってどんなふうに間違えるかなの研究だ」とさえ思いました。 さて、三角形の面積について「底辺×高さ÷2」の公式を使って求めるためには、底辺と高さが重要です。(写真左) 練習問題で、子供は写真右のような設問に当たります。 この設問に取り組んでいる子供を見ると、数値を間違える子、長さが分からないと戸惑う子が少なくないのです。 (続く) 適用練習指導方針の小学校算数の項目には「適用練習」(の場の確保、つまずきの指導)が明記されています。(写真上の一番下の行) では、「適用練習」の問題を教科書を例に見てみましょう。(写真下) 出題順、数値とも、教科書の適用練習の問題配列は検討に検討がなされたものです。 児童はどのように理解し技能を習得するかの検討の上に配列されています。 適用練習1と2では、レベルの高さ(ステップ)が異なっているのが分かります。 このように教科書の問題配列は意味があるので、加工せずに全部の問題を解くように授業を構成することが大切です。 行事PDCA
4月始めは、学校行事が目白押し。
行事は実施したその日のチェックが効果的です。 例えば・・・ ◆学級編制(クラス替え)の児童生徒への示し方に、改善の余地はないか。 ◆登校初日の登校と下校に、改善の余地はないか。 ◆新任式(職員の紹介)や始業式の全体の流れに、改善の余地はないか。 ◆入学式の中に「入れたほうが良かったアナウンス」はなかったか。 行事をおこなった時には、その場で気づいたことをメモしておくことが最も良いPDCAになりますね。 指名〜発表 2
続けて,さらに5つの指名方法を記します。
【4人グループ内で全員を指名】 机を4つ寄せて,グループの皆で意見を出し合ったり,資料を検討し合ったりする学習では全員を指名できる。 大勢の前では発言をためらう児童生徒も小グループ内であれば発言ができるという場合が多い。 そこで教師の指示(グループ内に教師も入って) 「Aさんはどれを選んだの? Bくん,Cさんがそう思った理由は? Dさんが選択を変えた理由は何かな?」と問う。 こうすると全員が全員の考えを聞き合うことができる。 【前もって指名】 前日に,翌日の授業のどの場面でどんな内容を発表してもらうかを該当生徒に告げておく。実践してみると・・・ 生徒は,前もって告げられておくことで,よく準備して来るし,その準備のていねいさは驚くばかりである。 とっさに指名されることと事前に指名されていることは意味が違う。(大人でもそうではないでしょうか?) この「前もって指名」は,意欲を高めるというねらいにおいても,良い。 生徒のみならず児童も同様である。 【述べ方=話形=の良い児童生徒をモデル的に指名】 「私の考えは〜〜です。その理由は〜〜です。」 「答えは〜だと思います。そう考えた理由は資料の〜〜からです。」 このようなグッドモデルとなる発表の形=述べ方ができる児童生徒は,他の児童生徒の良い手本になる。 そこで「述べ方=話形=のグッドモデル」として褒め,意図的に指名する。 波及効果は高い。グッドモデルの効果は,教師が範を示す以上に高い場合さえある。 【見せて説明=2人組を指名】 理科で,実験装置や実験結果を1人がさし示し,もう1人がそれを活用して説明することのできる2人組を指名し,発表につなげる。 「示す役」と「語る役」の役割を意識する指名となり「どこを見ると何が分かるか」「この結果から何が言えるか」など科学的な発表になる。 ラストです。 【発問し,挙手した子の中から指名】 教師の発問⇒分かった子が挙手⇒挙手者を先生が指名するというものである。 結論から言うと,これは「学習活動を広げる,思考を深める,子供の発表を生かす授業づくり」という点では効果的ではない。 ところが,多くの教室で,ひんぱんに見られる形である。 筆者の考えからこの方式のマイナス面を指摘すると,次のようになる。 この形の指名によって発表の場があるのは,知識の多い子,発表型の子,反応の速い子と限定される傾向があり,全児童生徒が響き合わない。 (この指名方法を,あえてラストに記したのは,そのことを授業者が踏まえているかどうかが重要であることを指摘するためです。) 2回にわたって「指名〜発表」を記しました。 授業者が,指名を改善することで授業の展開が改善されます。 指名〜発表
指名〜発表の場面です。
指名には、いくつかの方法がありますが、次に例示する5つくらいは授業場面に応じて「さっと」使えるようにしたいものです。 【2人とも指名】 どんな係活動があると良いか、隣同士2人で話し合ったのち、教師は任意のペアの「2人とも」指名して発表へつなぐ。 教師の指示「Aさん、Bくん、2人で話し合ったことを皆に紹介してください。」 【全員が発表者】 「海岸沿いに工業地帯が集中している理由が分かったひと? (挙手者多数)よし、じゃ手を挙げている人、全員起立。」と発表へつなぐ。 教師の指示「では答を聞いて行きます。同じ答えだったら着席、違う答だったり付け足しがあったりすれば、着席せずにいてください。」 【連続3〜4名の指名】 「兵十の言葉を聞いたごんはどんな行動を取りましたか?」と発問し挙手を待つ。 教師の指示 (挙手者が8名いたら)3〜4名ほどをまとめて指名し、児童が順に発言するように促し、教師はその間の進行を発表者(児童)に任せる。 【列にそって数名指名】 「縄文土器と弥生土器の写真を見比べて気づいたことは何ですか?」の発問で挙手ではなく、任意の列にそって順に全員を指名する。 教師の指示「気づいたこと、一人ひとつずつにしましょう、あとのひとのために答を残しておくのが友情だよね。」(微笑?) 【ノートの状況を見て指名】 「5チームがすべての相手と戦うリーグ戦は全部で何試合になるか」の課題で、生徒はノートに図や表で記入、机間指導で指名者を絞り発表へつなぐ。 教師の指示(生徒のノートを見て)考えA、考えBなどが分かりやすく記されている生徒を選び指名〜発表へと展開する。 これは何?これは何でしょうか? ◆意外なものの提示⇒追究力の育成 となり,さらにその答を聞いたら何〜だ!と知っていたものである時,もっとも楽しい時間が訪れます。さて,では答ですが・・・ ◆写真は,藤の花のつぼみです。 藤の花と思って再度見ると,そう見えてくるのも面白いところです。 一般に,春の植物は変化がはやいので,「つくしとスギナ」のように,これがあれ?というものがたくさんあります。 始業式4月6日。 取手市立小中学校21校は,本日が新年度第1学期始業式。 児童生徒の皆さん,新たな1年間のスタートです。 目標と自信をもって第1歩を踏み出しましょう。 【写真 桜咲く道を登校する子供たち】 写真を読む上のテキスト写真(左)は,理科「水はどんなふうにあたたまるか」の実験写真です。 写真から「炎の位置がここで正しいこと」「かつおぶしが適していること」が読めることが大切です。 そのためには「この写真の通りに設置して」事前に教師がやってみることをお勧めします。やってみると,その他いろいろ分かります。 上のテキスト写真(右)のように,一般に社会科は,説明文+資料でページが構成されています。 資料(写真,グラフ,表,地図,史料)と本文のどこが結びつくのか?また,資料から本文には記されていないことも読み取ることができないか? こうしたことも児童生徒の身になって追究してみると,教材研究はいちだんと深いものになります。 写真,資料を読むとは,「子供だったら,こんなふうに読み誤るんじゃないかな」とか「この写真でおさえる内容はここだな」という目で読むことです。 名前入れて声を
新年度はじめに教師が児童生徒に声をかける場面です。
(例 児童生徒が重いものを運んでくれた時など) ア「ありがとう,助かったよ」 イ「ありがとう,鈴木くん,佐藤さん,助かったよ」 イのように児童生徒の名前を入れてみるとどうでしょう? 実際に試すと驚くことが生じます。 ◆児童生徒の名前を早く覚えることができます。(先生にプラス) ◆先生とのコミュニケーションが深まりうれしくなります。(子供にプラス) 名前を入れての声かけは,年間いつでもプラスに作用しますが,特に新年度はじめはその効果が大きいのです。 他の例は,走力が伸びた時,その子を褒める際も効果があります。駆け足が苦手だった子が50メートルを8.6秒で駆け抜けた。 すかさず伸びを認め,名前を入れて声をかけたい場面です。 先生「速くなったね,ばずうかくん,50M,8.6秒だったよ!」 声をかけることは大切な指導のひとつですが,そこに児童生徒の名前を添えることは効果的な指導と言えます。 つくし 春の教材つくしはスギナになります。 上の写真のように育って行きます。 これらは,けさ,筆者が教委の敷地内で見つけたものです。 春の教材探しのおもしろさは,日に日に変わりゆくものを探すおもしろさです。桜の蕾に目印をつけておくだけでも,開花の観察がひとあじ違います。 これからの時期ですと, ・八重桜 ・藤の花 ・ハナミズキ などの変化を探すと良いと思います。 目標に誤字?1学期が始まると,児童生徒は学習や生活の目標を書き,それが教室に掲示されるという学級が多いと思います。 そして,目標は1学期間(または1年間),掲示されます。 ところで,児童生徒は目標に誤字を書いてしまうことがあります。 例えば・・・ ◆「友達と仲良くする」で「達」の右上が「幸」になっている。 ◆「成績が上がるように復習を頑張る」で「成績」が「成積」になっている。 ◆「勉強する時は集中する」で「勉」の右が「力」でなく「ム」になっている。 長期間,教室に掲示するものに誤字がないかどうか確認してから掲示することは,一人一人の児童生徒を大切にする学級経営のひとつです。 ノートどうかな(2)
ノート指導は年間を通して大切です。
写真(算数ノート)でバツのところをご覧ください。もちろん誤答でバツですが「誤答が何だったのか見えるように」残してあります。 ◆誤答は,バツをつけても,見えるように残しておくこと それを継続したのがこのノートです。 すると,児童(生徒)は, ◆同じ間違いをしなくなった。 ◆どこが誤りで間違えたのかを考えるようになった。 ということです。 「誤答を消しゴムで消しちゃう子」は少なくありません。 誤答を残す指導も「簡単で効果の大きいノート指導のひとつ」です。 注1 もちろん時と場合によりますので,誤答は常に残すようにさせる,ということではありません。念のため。 注2 写真中,問題4は児童の書き誤りでKmはKgです。 ノートどうかな(1)
ノートをどうするかは,1学期はじめから年間を通して大切です。
指導がシンプル,かつ定着し,かつ効果があるものを2つ紹介します。(もちろんノート指導は様々な方法がありどれが一番というものではありません。) 写真をご覧ください。 ◆筆算の横線は,定規を使いましょう。 このことを1学期の最初から継続した学級のノートです。 ・計算が正確になった。 ・テストの際も余白に計算し定規を使うので位取りがそろう。 ・1学期はじめから3学期終わりまでどのページもきれい。 こんな声が児童生徒からも,先生からも聞かれるようになります。 もし「定規使い」をさほど意識せずにいた先生がおりましたら,試みてみると,児童の計算ノートや答案用紙の変容に驚かれると思います。 取手から春の便り
新年度です。
美しい春の花々が咲き,平成27年度第1日目がスタートしました。 取手市教育委員会指導課では,昨年度に引き続き,教育に関連する記事を掲載します。 どうぞよろしくお願いします。 【写真】藤代スポーツセンター「空の神殿」と桜 |
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