最新更新日:2024/05/21
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着任して一か月 今、改めて考える 〜震災の記憶〜

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 教育長に就任して一か月が過ぎました。4月1日の辞令交付式から始まり、8日の小中学校入学式や14日の伊達ももの里マラソン大会、22日からの市経営に関する説明会など数多くの業務があり、改めて年度当初である4月の多忙さを実感しました。
 令和6年度は、4月から新型コロナの影響を受けることなく各校の修学旅行や校外学習等の学校行事が予定どおり開催されています。子どもたちの笑顔あふれる活動の様子が学校だよりからも伝わってきます。このまま「令和」の年号に込められた、日本人一人ひとりが希望をもてる良い国になってほしいという願いが確実に実現できることを期待したいと思います。
 さて、話は変わりますが、教育委員の皆様との会合でよく話題に上がるのは東日本大震災です。今年は地震が多く、元旦の能登半島地震に限らず日本各地や世界各国で大きな地震被害が報道されていることも関係しています。東日本大震災では主に東北地方各県で甚大な被害を受けましたが、地震被害に加えて東京電力原子力発電所事故による放射線の影響を強く受けた本県の復興は道半ばであり、これからも震災の記憶を風化させることなく伝えていかねばなりません。10年を経過したころから県内では、震災学習を教育課程の中に位置付け、被災地訪問や伝承施設等の見学を実施する学校が増えてきています。
 我が渡部家でも、震災時に決して忘れることができない出来事がありました。2011年3月11日、14時46分に起きた大地震は今までに経験したことのない大きな被害を生み、当時、福島市役所に勤務していた私が帰宅したのは夜の9時を過ぎていました。帰宅して最初に聞いたのは、「子犬がいなくなった」と泣きながら話す娘の言葉でした。それから3日3晩、生後約3か月の子犬を捜したが見つからず、生存をあきらめかけていた時奇跡は起こりました。電話が開通した4日目の朝、警察署から犬を保護しているという連絡があったのです。万が一に備えて首輪に電話番号を記していたのが功を奏しました。警察署に行き署員の方に経緯を確認すると、親切な人がいて、自宅の前で震えている犬を見つけ、わざわざ警察署まで届けてくれたそうです。その人は、「困ったときはお互い様だから。」「命の重さは人も動物も同じだから。」と言って名前も言わずに預けていったそうです。この人のおかげで我が家の愛犬は救われ、13歳になった今も写真のように元気で過ごしています。今は耳も遠くなり寝て過ごす時間が増えましたが、震災後は些細な地震でも敏感に反応して大声で吠え、誰よりも地震の怖さを私たちに伝えていたのです。
 「10年ひと昔」とも言われるように、時間の経過とともに私たちの記憶は薄れゆくものです。しかしながら、輝かしい未来を創造するため記憶を風化させることなく伝え続けることも学校教育の役目であると考えます。新型コロナの対応が緩和され、学校の子どもたちは5月から部活動の大会等に精一杯取り組むようになります。市民の皆様には、成果を見ていただける機会、応援していただける機会も多くなってきていることをとてもうれしく思います。これからも本市の子どもたちの豊かでたくましい成長に向けて、力強いご支援をいただきますようよろしくお願いします。

  5月 教育長の部屋                    
                        教育長 渡部 光毅
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