![]() |
最新更新日:2022/09/13 |
本日: 昨日:4 総数:240269 |
「幻のユーちゃん帝国」(昭和49年度卒業文集より)![]() ![]() ![]() ![]() 当時卒業記念アルバムの中の卒業文集である生徒が書いた文が目に止まりました。以下に原文の一部を抜粋して紹介します。 _________________________________ 幻のユーちゃん帝国 「閣下、お食事の用意ができました。」と余り背の高くない中年紳士が言った。閣下とは勿論我輩のことである。我輩の所有する”ユーちゃん帝国”は全世界の3分の2を入手し、あと残りの3分の1を我が手中に治めるべく、”サブロー王国”との戦闘中にあるのである。しかし、我国の戦力をもって臨めば勝てぬ相手ではないのである。 閣下ともなると夜毎の食事はビフテキである。我輩とて人間、毎晩同じでは飽きてしまう。たまにはサンマでも食べたいものだ。 腹がふくれてくると、日課通りリンカーンコンチネンタルに乗りドライブである。運転手はメガネをかけた英語のできそうな男で、彼の運転には定評がある。芝の手入れをしていた小肥りの中年女が手を振り「行ってらっしゃいませ。」と言ったようだ。我輩も一応は手を振ってみたものの極度の眠気に誘われた。後部座席にいつの間にか秘書のオーリモ(決してオーモリ等という名ではない)が居るではないか。奴は我輩の頭にピストルを突きつけ「しめしめ、計画は成功だ。睡眠薬入りのビフテキとも知らず。」とぬかしおった。あいつが”サブロー王国”のスパイダとは、我輩も少々うかつだった。「ああ神様・・・。」ピストルの引き金のきしむ音、とその瞬間「早く起きなさい。」「なんだもう朝か。」 _________________________________ |
|