学校に保管されている卒業記念アルバムには、小浜中学校のいろいろな歴史や逸話が残されています。
当時卒業記念アルバムの中の卒業文集である生徒が書いた文が目に止まりました。以下に原文の一部を抜粋して紹介します。
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心に残ったこと
私は、今卒業文を書かされる身になって、3年間とは何と短くあっけないものなのだろうと思う。一つ一つのことがまるで昨日のことのように思えて仕方がない。が、それを文章に言い表すなどとは、作文が苦手な私にとって最も困難な仕事の一つなのである。
まず思い出の1番は、何と言っても退屈な入院生活である。私は1年生生活の3分の1を薬臭い病院で過ごした。その単調な生活の中で特に印象深かったことが一つある。それは、私の隣にいた若い女の人のことだ。一生治らない病気を持ったその人は、私にいろんな話をしてくれた。でも、私はその時、その話をあまり心に止めておかなかった。
退院してからも私は大事にしなければならなかったので、皆とは違う生活をした。差別待遇される、私はそんな自分が嫌だった。逃げ出したかった。しかし、そんな時思い出したのがあの女の人の言葉である。「どんな事があってもくよくよ悩むな。そんな暇があったら何かしなさい。もっと不幸な人がたくさんいるのだから。」その通りなのだ。私はまだまだ幸福だ。そう思ったとたんに、私の胸のわだかまりは消え去った。
私は2年生になった。そして2学期。2年生は体育館に呼び出された。そして生徒会立候補の話を聞かされたのだ。友達から出てみたらと言われ、がぜん勇気が湧いてきた。今考えてみると、あんなに本気になったことがおかしく思われる。開票の日、私は胸をときめかしながら開票結果を発表を待っていた。私の名前のそばに当選の当と書いてあるのを、その時私の手を握って「よかったね。」と行ってくれた友のあの笑顔は今でも忘れることができない。
まだまだ心に残ったことはたくさんある。私はそれらを大切にしながら未来に向かって歩いていこう。
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